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エッセイ Archive

『キネマ旬報』6月下旬号発売。

今月号の表紙は女優の若尾文子さんです。

現在、若い女性に人気らしい。また私も、若尾文子ファンの若い女性と会った事がある。

その若い女性と、若尾さん主演の邦画の話題で楽しいひと時を過ごした。

表紙- 1

キネ旬が1956年3月号で、若尾文子さんへのファンレターの分析をしている。女性ファンが圧倒的に多く、中でも平凡タイプのファンレターが最も多いと書いてあった。

また、外国の映画祭で「若尾文子特集」が組まれるなど、海外でも人気が高いそうです。

80年代ですか、建築家の黒川紀章氏と結婚し、その時の黒川氏の「若尾文子はバロックだ」との発言が記憶に残っております。

本文-2

今回の『読む、映画』は、現在、公開中のマイク・リー監督の『ターナー、光に愛を求めて』を取り上げた。

ターナーの評価に、見えない大気を描き、後の印象派の先駆けとあるが、今の私達から見ると、轟々と渦巻く劇性のある風景が印象に残る。この誇張した画面作りがターナーの特徴とも言えるし、速度のある時代変化の、ターナー自身の体感表現であるかもしれない。

ターナーの表現が、写実が形から色へとボヤけてゆく西欧絵画史の文脈の中にあることは確かで、時代の変化を認識していたことでは近代の画家と言える。

ドカエのようなくっきりとした明暗の画面では無く、バランスの良い柔らかな明暗画面を堪能して下さい。

手に取りたい方はここです。

 

『キネマ旬報』5月下旬号発売中。

今月号は、18歳から映画を撮り、昨年、カンヌ映画祭にてゴダールと共に審査員特別賞を受賞した、早熟の天才イケメン監督として注目を浴びているグザヴィエ・ドラン監督の最新作『マミー』を取り上げました。

表紙-1

25歳のイケメン監督ですから、出演俳優よりも多くのポートレートが、映画パンフレットに載っております。

ドラン人気、未来の映画の一方向を指し示しているようにも思えます。

日本で言う、坂東玉三郎さんと映画の関係に近いです。

本文-2

ドラン人気に影が薄い主演の青年ですけれども、私は好きですね。年齢の近い監督と息が合うのか、パフォーマンス演技が光ります。

母と息子、どんな家族関係よりもエロティクに描いた母子家庭作品です。

詳しくは『キネマ旬報』ホームで。

 

『キネマ旬報』4月下旬号発売中。

『読む、映画』、今回はジャック・ドワイヨン監督の『ラブバトル』を取り上げました。

表紙- 1

ヌーベルバーグの後を継ぐ若手と言われている監督ですから、前作の異例のヒットを記録した作品から本流、ヌーベルバーグ派の主要なテーマである「男と女」の関係を引き継ぎ、日本では「愛の不毛」と呼ばれた男と女の痛い関係に迫ります。

本文-2

抱き合うまでにプロレス紛いの格闘があり、本番までテイク20程のダメ出しをして、役者がセリフを自分の物にしてから撮影したとあります。先達のゴダールと比べればプロ仕様の監督ですが、映画表現への格闘意欲は負けておりません。

因みに、世界的スター、三船敏郎さんのコマーシャル・ナレーションで、ダメ出しテイク40という記録が六十年代、業界で話題になりました。

 

手に取りたい方はこちら

『キネマ旬報』3月下旬号発売中。

「読む、映画」の連載エッセイです。

今回はジョン・カーニー監督の『はじまりのうた』を取り上げました。

表紙-1

今、アメリカの音楽業界は、ビック・データーを元に新人の歌を予測し、コンピューターが流行ると判断すと、その新人歌手に投資、売り出しているそうです。

本文-2

そんなコンピューターに支配された音楽業界に、一矢、報いようと制作された映画で、それなりの仕掛けが詰まった映画です。
音楽業界の経験がある監督ですから業界人のリアリティもありますし、主人公の女優を歌えるようにしてしまうのが、元音楽業界人の凄さです。
監督は、イギリス女性がニューョークに来て、頑張っているのが好きだそうです。変な性癖ですが、判らなくもないです。私も英国の人、好きです。真面目でユーモアがあって品があります。
喧嘩腰の若者も居ますが、好きです。

でも、コンピューター予測の新人は、ヒットしているのですか・・・・。
『キネマ旬報』ホームです。

 

『アックス』102号「赤瀬川原平追悼特別企画」にエッセイ寄稿。

昨年、亡くなられた原平さんの追悼企画にエッセイを書きました。

60年代の漫画は、現代美術系作家の注目を集め、また若者によって表現運動が展開され、当時の学生運動と共に社会現象化しました。早稲田大学の学園祭では、立ち見が出るほどの盛況で、舞台へ出て驚いたのを覚えております。

表紙- 1

赤瀬川さん等、『ハイ・レッド・センター』の皆さんとお会いしたのもこの頃ですし、その赤瀬川さんが漫画を描き、『ガロ』へ参加して来ました。『ガロ』は漫画誌と言うより、現代美術の表現の場となりました。

本文-2

そんな行きがかりで、原平さんは私達夫婦の仲人になり、また『ハイ・レッド・センター』の一人、高松次郎さんが、『東映動画』出身である事から、「仲人と言えば身内も同然」と言う言葉があるのか判りませんが、原平さんには親しく交際して頂きました。

来月、帝国ホテルで原平さんの「偲ぶ会」が開かれます。全国に居られる路上観察学会員の方々がお別れを告げに参るのではと思います。

ご冥福をお祈り致します。

本を手に取りたい方はここ

『キネマ旬報』1月下旬号発売。

高倉健さんがお亡くなりになりましたね。

私は東映動画に居ましたが、撮影所、近所の飲食、喫茶店でも、高倉さんをお見かけしたことはありませんでした。

寺山修司さんの『書を捨てよ、街へ出よう』の映画で、高倉さんの高さ10メートルの看板を作った思い出があります。

それから、マレーネ・デートリッヒさんのディナーショーで、幸運にも高倉さんの隣のテーブルに座り、鶴田浩二さんや渡哲也さん等と座を囲む高倉さんを拝見し、わー、豪華なテーブルだなと、感激したのを覚えております。

ご冥福をお祈り致します。

表紙-1

今回はエリック・クー監督の『TATSUMI・マンガに革命を起こした男』を取り上げた。

辰巳ヨシヒロの原作をもとにつくられた作品で、抑制した動きで、マンガを読む時の感覚を大切にしたアニメ作品である。

本文-2

本文で、今、マンガは出版メディアから携帯等のインターネット・メディアに進出しようとしている時期ではないかと書いた。このアニメ作品が、私の画ニメ作品『赤色エレジー』と同じく、携帯などで読むマンガの一方向を指し示しているように思う。

それが出版メディアのマンガを凌駕する読者数と、売り上げを誇れるようになるかは、未知数である。

 

本を手に取りたい方は、ここ

『キネマ旬報』12月下旬号発売。

毎年の事だが年末は忙しく、期日に間に合わない仕事が多々あり、御免なさいと頭を下げる日々を送っている。
また今回は、書いても良い映画が三作品も有り、選ぶのに困った。

表紙- 1

キム・ギドク監督の『メビウス』を書く事にした。
この映画は全編セリフが無く、アート・アニメ作品に多く見られる手法で、往年の新藤兼人監督『裸の島』を思い出させる作品である。

本文-2

セリフが無いから、役者の演技も少し説明的だが、粗削りな作品に器の大きさが垣間見られ、今後の作品が楽しみである。

手に取りたい方はここ。と書いたら、明日までにもう一つ原稿をお願いしますと、メールが来ていた。文章は丁寧だが、一本鞭の傷口が癒えぬところにロウを垂らす内容となっていて、師走はハードSMの季節である。おかぁさーん。

『ずるずる、ラーメン』発売中。

大分前に出ましたが、ブログに載せそびれておりました。

以前、出しました、『僕の食物語』に書いた「冷やし中華」の章の抜粋が載っております。

 

ラーメンで思い出すのが、博多へテレビ取材で出掛けた時のことです。

空港にテレビ局の車が待っておりまして、そのまま博多の屋台ラーメン店に直行、ここのラーメンは美味しいと車中、テレビスタッフの方に聞かされ、期待で胸が膨らんでおりましたが、屋台でビールを二口ぐらい飲んだところで突然、私がホテルのチェックインをすませていない事に気が付いたスタッフの方々は、まずはホテルへ入ってから食べましょうと、えっ、ラーメンはと立ち去り難い私を急かせホテルへと向かったのですが、チェックインをすませても飲み屋に連れて行かれ、そのまま飲み続け、屋台のラーメン屋には戻ることはありませんでした。

表紙-1

次の日の撮影は早朝6時から移動で、ロケ中、博多に戻る事も無く、ロケ終了と共に待たせた車に乗せられ空港へと運ばれてしまいました。

飛行機の窓から遠くなる博多の街の灯を眺めながら、「さようなら、博多のラーメンさん」と私は呟いておりました。

今もこの時の事が頭に浮かびます。嗚呼、博多のラーメンと・・・。

 

手に取りたい方はここです。

 

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