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エッセイ Archive
『四季の七色 林静一と12人の俳句』出版。
俳句雑誌『俳句四季』に連載しました画文が、絵はがきになりました。
俳人は金子兜太氏他11名の、俳句界で活躍されている著名作家の方々です。
葉書になっておりますから、親しい方や日頃の非礼を詫び、旧交を温めあう便りとしてお使い頂ければ嬉しく思います。
一月などは年賀としてもお使い頂けますね。
ヤシの木が描かれた絵は、キューバの女性達に人気がありました。
連載時の絵に添えられた文章も付いております。
お求めは『東京四季出版』ホームまで。
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PHP臨時増刊号『心を揺さぶる88の名言』
88 名の各界の識者が名言を選びました。
私は、レオナルド・ダ・ブィンチの言葉から選びました。
ダ・ブィンチは養子に出され、その後も養父にお金をせびられたり、苦労が多い人生でしたから、数々の名言を残しております。
手に取りたい方はこちらです。
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『ビアズリーと日本展』に寄稿。
石川県立美術館で開かれております『ビアズリーと日本』について、『北陸 中日新聞』にエッセイを寄稿しました。
内容は、ブログに前回載せました「印刷メディア」により、より広範囲の人々に届けられるようになった「本」の挿絵についてですが、日本についてはエッセイの後半で少しふれておりますように、鏑木清方の「卓上芸術論」辺りから、日本では展覧会へ出すバカデカい作品では無く、机の上に収まる小さな絵、挿絵に注目が集まり、鏑木自身、作家と挿絵の相談をしている絵を描いておりますから、鏑木が通った泉鏡花のサロンの一員で資生堂デザイナーであった小村雪岱の活躍は、当然と言えば当然の事でせう。
戦後になりますと、印刷メディアで活躍したと言えばデザイナー横尾忠則さんが真っ先に思い浮かびますし、柴田錬三郎原作の『うろつき夜太』の挿絵は、江戸期の黄表紙スタイルのレイアウトで構成され、戦後、挿絵史の金字塔であると思いますし、横尾氏の三島氏と組んだポスターに代表されるアート作品は、印刷技術に熟知した傑作と言っても過言ではありません。
その他にはデザイナー杉浦康平さんの『銀花』などが、墨版、赤版など色版を加工し重ねる印刷技術で、アート作品と呼んでも良いでしょう。
漫画家は自身の作品がどの技術で再現され、読者の手に届けられるのか、原稿を描くのに熱中し、あまり意識していないようです。
私は映像業界にいましたから、画像を加工する事は日常茶飯事で、漫画を描く事になってからは印刷メディアに注目し、度々、作品の中にモノクロを反転したネガ画像を使っておりますし、当時の漫画には「アミ」というグレー諧調がモノクロのペン画に載せてありましたが、この製版は「ジンク版」印刷と言い、あの当時、燐寸のラベルや果物の木箱に貼るラベルに使われていた印刷技術で、その話を青林堂社長の長井さんから聞くと、これで作品が出来ないかと、私は作品集に描いた『花に棲む』で実験しました。
偶然ですがカラー漫画の先達「リトル・ニモ」と同じ、リトグラフ仕様漫画ということになります。
現在は漫画原稿をデジタルで仕上げる作家は多いですが、拙著『夢枕』では、立体をコマ絵に平面描画と一緒にはめ込んであります。立体画像とそれほど意識されずに、他の平面描画のコマ絵と並べられた事に満足しております。
金沢駅に私の電飾広告があります。何処に在るのか探してみても良いかと思います。
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『ビアズリーと日本』開催。
期間 7月23日~8月28日
会場 石川県立美術館
ビアズリーと言えば戯曲「サロメ」の挿画が知られております。
そのスタイルは、それまでの絵画と一線を画すような白と黒のシンプルな画面構成です。
で、皆さんは思いませんか、何故、モノクロなのかと。そのような疑問に気付かれた人は、背後に印刷メディアを感じ取るとば口に立っております。
従来の油彩で描けば、ギュスタブ・モローの名品『サロメ』のようなタッチ、陰翳のついた作品になります。
でもビアズリーは違った。印刷メディアの挿絵というジャンルで台頭し、オフセット印刷もグラビア印刷も無い時代、白と黒で描いたのです。また、西欧絵画が陰翳のある写実絵画からピカソ等の線と色で構成された絵画へと向かう時期と重なっております。
印刷メディアが生み出された当時、金属活字が刻印する物語が一冊の本になって出来上がると、絵が欲しくなるでしょう。そこで物語の所々に物語を補う絵、挿絵と言う仕事が画家の仕事に新たに加わりました。
どのメディアでもそうですが、その青春期は熱気にあふれ、色々な事が可能に思えます。挿絵も同じで、画家は新たな仕事に意欲を燃やします。これが後にイギリス挿絵の黄金期と呼ばれる様になるのです。
印刷メディアの青春期を若者らしく走った『ビアズリー』、活躍期は6年にも満たないのですが、人々は忘れておりません。今もその走りと作品に魅了される若者は多いのです。
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『キネマ旬報』5月下旬号発売中。
今月はドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の『ボーダーライン』を取り上げました。
アメリカ大統領選で頭角を現しましたトランプ氏が、「メキシコとの国境に高い塀を築け」と発言し、支持層の低所得者白人層から喝采を浴び、それまで支持していたヒスパニック層が離れて行きました。
ヒスパニックからすると「もともとアメリカは私達の土地だった」となりますから、メキシコでは子供が人形にお菓子を詰めて棒で人形を叩き、お菓子を取り出すお祝い行事がありますが、今年は人形がトランプ氏になっていたそうです。
コロンビアの麻薬組織をアメリカが制圧したら、それがメキシコへとなだれ込んで来たような状況がメキシコで起きていると、メキシコ在住の方が話しておりました。
アメリカとの国境沿いの街フアレスが舞台ですが、殺人が起ってもニュースにならないほどの街だから当然、撮影許可が下りなかったと言います。
アクション映画は、その時々の緊張した政治、経済の問題を取り上げてきました。そこがアクション映画の特徴であり、魅力ですから、制作現場もアクション映画そのものでせう。
嗚呼・・、六十年代の映画『ビバ・マリア』や岡本太郎さんが壁画を描いていた頃のメキシコが懐かしい。オリンピック前年辺りから、メキシコはおかしいですね。
死んだ父の部屋でサッカーボールを手に、佇む子供が印象的でした。アクション映画好きは見とくべきでしょう。
『キネマ旬報』ホームはこちら。
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『キネマ旬報』4月下旬号発売。
表紙の子供の顔、中々良いですね。
私達の子供の頃は、鼻水を垂らしておりました。ティシュなんて上等なものは有りませんでしたから、すすって飲んじゃうか、セーターや学生服の袖で拭いておりました。ですから服の袖は鼻水が固まってカチカチになり、学生服などは光っておりました。
鼻水が出ているのは栄養不足だそうです。60年初めまでは、日本人の4人に1人が栄養失調だったそうです。
しかし当時の映画を観ると、鼻水を垂らした子は一人も出てきません。でも、ちゃんと鼻水を垂らした子供が出てくる映画もあります。残念ながら日本の映画ではありません。さて、その映画の題名は何と言うのでしょうか。
今回は、ロサンゼルス・タイムスから、「ほとんど完璧な小説」と評されたロングセラー小説『眺めのいい部屋売ります』の映画化作品です。
アメリカの不動産事情が判り興味深く拝見しました。向こうは価格がオークション形式で、高く競り落とした人のものになりますが、購入希望額が低くとも、家主が住んで欲しいと思う人に落札する場合があるのです。人情味のある取引ですね。
ほとんど売り家の内部だけで展開する作品で、往年のヒチコック映画のカットの無い作品に近い。今、上映されている各国の映画祭の賞を総なめにしている『サウルの息子』なども、デジタル時代のカットが無い作品で、映像青年は見とくべきだろう。
この作品に、アパートの近くにあるドラック・ストアーが出てくるが、店番をしている青年の演技があっさりしていて詰まらない。ニューヨークのバイトの子ってこんな感じだぜ、といった演技があると、ニューョークで生活する人々の息遣いがもっと伝わるのにと、残念に思う。
詳細は『キネマ旬報』ホームまで。
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『キネマ旬報』3月下旬号発売中。
今号は、『太陽がいっぱい』など50年代のベストセラー作家、パトリシア・ハイスミスの原作を、トッド・ヘインズ監督が映画化した『キャロル』を取り上げました。
惜しくも今年の米国アカデミー主演女優賞を逃しました、ケイト・ブランシェットの演技が光っております。
モスグリーンのワンピース、シャツなどが似合いますね。日本女性ではあまり見かけない配色です。
黄金の1920年代に続いて1950年代も、自国が戦火にまみれなかった豊かなアメリカの、朝鮮動乱がありましたが黄金時代だったと思わせる、優雅で品のある中産階級での同性愛の話しです。
レズビアンの若い女性と話を交わしたことがあります。同性の何処が良いのか聞き出そうとしましたが、良く判りませんでした。レズの方達が外へ向けて、啓蒙も含めて発言しなければいけないでしょう。
思春期にまず、同性へと目がゆきますし、親子も兄弟も、ヤクザやスポーツに会社も、同性とのユルイ愛でつながっていますから、「俺、部長のような男、嫌いなんだよねー」なんてクダを巻いているサラリーマンを居酒屋で見かけるのです。男も女もゆるい同性愛の世界に暮らしている事は事実です。
女優志望の方は必見です。
詳しくは『キネマ旬報』ホームへ。
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『キネマ旬報』一月下旬号発売中。
スピルバーグの特集ですね。彼の映画には、娯楽と社会問題をあつかったものと、二種類の作品があります。どちらもスピルバーグとしては、大事なものなのでしょう。日本の直木賞と芥川賞のように。
今月はアントン・コーピン監督の『ディーン、君がいた瞬間』です。
夭折のスター、ジェームス・ディーンと、ディーンの才能を認めた写真家との、二人だけの旅行を描いた作品です。
ディーンを演じるのはデイン・デハ―ンですが、まぁ役者さんは、歴史上の人物を演じる機会は多いと思いますが、近過去の人物はやり難いのではないでしょうか。
鼻に抜ける喋り方など似ていると思いますが、模写演技を誇張すると、似顔絵と同じく見る方に笑いを誘いかねず、ディーン・ファンに嫌味として捉えられかねない。難しいお仕事ですが上手く演じております。メガネをかけるとそっくりです。
『ジャイアンツ』で、石油を掘り当てたディーンが豪農主の館へ行き、ロック・ハドソンを殴るカットがあります。腰が入って、小さい男が大きい男を殴るリアリティーがありました。
自分の心に真摯に向き合った青春を、若い人たちに観て欲しいです。
詳しくは『キネマ旬報』ホームで。
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