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美食に魅せられて京都―2。

料理が出て参りました。

若い頃から個展やトークイベントなどで会食する機会が多い。

当然、料理屋などで旬の物を食べる事になる。

旬の食材は地方によって異なり、京都で出された竹の子料理が今も食感と共に記憶に残っている。

料理-1

厚さ3か4センチはあろう竹の子を口に入れた時は、その柔らかさに驚いた事がある。

家の庭の竹に珍しく花が咲いたと思ったら、庭一面に竹の子が目を出し、あっという間に庭が竹林になってしまった事がある。

松茸-2

竹林も風情があって良いと思っていたが、家屋の縁の下に潜り込み、床を突き上げ家の中に伸びそうになったので、慌てて庭師に竹の根を切ってもらい、事なきを得た体験がある。

小皿-3

子供の頃、家に庭が有ったが、土とか草花に触れる機会が無かったので、子供の頃に土に親しむ機会の重要性はあると思う。

食べると育てるでは、大きな違いがある。

大皿-4

大皿に盛る料理に『河豚』がある。

高名な方の食べ方に、大皿に盛った河豚を、半回り箸に乗せて食べるというのを聞いたことがある。

確かに一枚づつ、チマチマ口に運ぶより、大皿の河豚を半分取って食べる方が、見ていて気持ちが良いと思うが、そんなに沢山、口の中に入れたら、河豚の味が大雑把になりはしないか、私は2、3枚、口に入れる方が好きだ。せこいけど・・。

今は出さないのだろうか、河豚の毒は美味しい。食べると唇がピリピリして、癖になる。河豚の毒で亡くなった歌舞伎役者が居たが、また食べたくなる。辛い物が好きになるのと似ている気がする。

食べている最中に、料理を撮るのを忘れる時がある。食べかけですみません。

ハモ-5

鱧料理が出て来ました。

鱧は美味しいが、鱧自体に個性的な味があるわけではない。あるとしたら噛む時の歯触りにある。河豚、鯛、鯉なども同じで歯触りを楽しむ。

コンニャク、トコロテン、葛切りと歯触りを楽しむものは多いが、豆腐、お米などはその代表格で、料理の味を口の中で自分好みに調節して食べるよう、私達は子供の頃から無意識に行っている。

スイーツ-6

ご飯ほど頻繁ではないが、欧米のパンなども、その役目を負っていると思われる。皆さんはどう思われますか。

いち元-7

食事を終えて向かうは祇園町の『いち元』。

祇園は20代の頃、雑誌の取材で訪れた事がある。清水寺の坂を上り、左に曲がり小道に入る。

その道をまた左に曲がった奥の旅館へ泊まった。

この旅館は、作家が小説の構想やら連載の遅れが無きようカンズメにされる旅館で、部屋が二部屋しか無く、贅沢なカンズメだと当時、思ったものだ。

その旅館から歩いてすぐに祇園はあり、当時、売れっ子だった舞子さんを取材する事になっていたが、座敷に上がるも中々現れず、芸子さんと「素うどん」を食べ、芸子さんの膝枕で横になり、ウトウトしながら待った。

舞妓-9

何でも山林王の方が毎年、祇園の舞子を集めて酒を飲む日が今日で、それが終わらないと売れっ子舞子さんは来てくれないらしい。あの頃、まだ剛毅な男が居た。

そんな話をしていると『いち元』のママ、ひかるさんが店のドアーの方へ顔を向けた。

「舞子はーん」が零れる様な笑顔で店へ入って来た。「美月さん」に「小花さん」です。

綺麗でっしゃろ、可愛いですよ。小学生の頃から「舞子」に憧れ、親の許しを得てこの道へ入ったと、可愛い笑顔で話してくれた。

あの、だらりの帯、舞子に憧れる女性は多いのではないでしょうか。山本さん、舞子さんとシックリ合いますね。

近頃、歳のせいか、睡眠の質が悪いと枕をお探しの奥様、彼女達は箱枕で寝ているそうですよ。

ママ-8

『いち元』のママ、「かおるさん」です。素敵な方です。また、来ます。

祇園の夜は更けて行きます・・・。この後、何があったのかは、想像にお任せ致します。

お休みマンモスです。

 

美食に魅せられて京都。

今年も残すところ後わずかです。

コロナ騒動で明け暮れた一年と言っても、過言では無いでしょう。

中華-1

密な場所への外出を控えるようにと務め、巣ごもり状態となり、酒飲みは酒量が増えアル中患者が増しているのではないかと、煙草の本数が多くなった私が紫煙の漂う仕事場で心配するのも、コロナ流行の時代でしょうか。

冷やし中華ありの看板が出る季節になっても、外出して良いものか戸惑う日々であった。

酒-2

それでも毎年、季節になれば口にする「うな重」は食べなくてはと、戒厳令下の街中を忍び足で歩き、のれんを分けて「ウナギ」を口にした時の喜びは格別であった。

「肝焼き」とビールをのど越しに味わうひと時は、日本に生まれて良かったと思う。

ウナ-3

『コロナ圧』は食事に強く働くようで、朝食はパンに生ハムを挟むか、トーストにブルーチーズを乗せるか、昼には「皿うどん」食べたいだのと、頭を巡るのは食のことばかり。

そんな折、春に古都へ伺う約束をした山本氏からのメールで、県外への行き来が出来るようになりましたと、旅への誘いが届く。

シュウマイ-4

もう、画像を見れば何弁か駅弁オタクには判る例の弁当だが、生憎、冷めたシュウマイと冷たいご飯ではないが、口に運び旅情を楽しむ事にした。

弁当ついでに話せば、故鈴木清順監督の作品に、『幕の内弁当』のカットが有った。

清順監督に、東京っ子の「食」作品を撮ってほしかったと思う。暖かな汁の蕎麦を食べる時、清順さんの顔が浮かんできてしまう・・・。

座席-5

目を前の座席へ移せば、円い突起が目に入り、右に左へと揺れる車内を歩く人の安全を考え、これが日本流のお・も・て・な・しであろうと、細かい心遣いに口元がほころぶ頃に山本さんが待つ京都へと着いた。

料亭-6

山本さんの案内で『高台寺料亭 十牛庵』へと向かう。

京都は新幹線が開通して、何度も通った街で、「何故にあなたは京都へ行くの?」の歌謡が街に流れる時代であった。
古い町並みをどの様にするのか、東京はその後を追いかけていたように思えた。

奥に深い町屋に若者や外国の方が住み、坪庭はまるで外国に在るアパートの中庭のように四季の花を植え、蔵はパン屋や喫茶店、ライブハウスに見立て、古い建物を壊さず住む京都人に若者は拍手を贈ったのである。

部屋-7

通された座敷は、昼間であれば京都の街並みが見渡せる座敷で、客は私達二人であったが、京の都に相応しい夜となった。

鱧の季節を過ぎてはいるが、板前の包丁さばきに京都地酒が身に染みてゆく。

板前-8

コロナ、来年も地球にはびこります。

気を付けませう。

 

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