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エッセイ Archive

『キネマ旬報』11月下旬号 発売。

今月は、ミア・ハンセン=ラブ監督の『EDEN』を取り上げた。

90年代の終わりから新世紀にかけてのパリは、ある種の熱狂にあふれていたそうです。

その当時の日本と言えば、昭和天皇の崩御、天皇暦が『昭和』から『平成』へと変わる事や、バブルの崩壊やサリン事件に阪神淡路大地震など、あいついで時代を揺るがす事件が起こり、音楽シーンがバリの様にファッションやアートに影響を及ぼすことはなかったから、映画を観ながらへぇー、パリやニューョークは、こんな青春が花開いていたのだと興味深く鑑賞した。

表紙- 1

世界の音楽に通じている音楽評論家が、日本ではこんなところに欧米の音楽潮流は上陸していたのだと解説して頂くと、ジュリアナ東京のお立ち台だけでは無い、もっと判りやすい音楽シーンが理解でき、グローバルに楽しめたのにと思う。

本文-2

しかし観ていて、先進国の若者像が似てきたが、世界は国別に抱える問題の違いに差が出て来て、六十年代の新中流形成の波で統一していたものが今や世界に無いのだ。

漫画を描く青年も登場し、大友さんの『アキラ』がフランスでの日本漫画の火付け役となった時代と重なり、私が渡仏した頃にこの漫画青年と逢う機会は十分にあったのだ思うと、この青年の早すぎる死に、他人事ではない気がしてくるのだ。

あの時代に青春を送った世代は観て損は無いし、年代ごとに若者達の活動が整理されているから、その時代を思い出し、色々な問題を考えると良いと思う。もう平成生まれが27歳である。光陰、矢のごとしである。

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赤瀬川原平著『赤瀬川原平漫画大全』発売です。

『マンガ黄金時代60年代傑作集』(文春文庫)、『大人のロマンと子供の科学』に源平さんは、「そのマンガブームであるが、最高学府がマンガを読むというので、その取り合わせが面白かった。新しいと思った。なるほどとも思った。ちなみにいうと、当時の前衛的芸術表現は、その原理の底点、行くところまで行ってしまい、多少間の抜けた時代でもあったのである」と書いている。

表紙-1

そこで原平さんは、漫画の世界へと足を踏み入れ、漫画雑誌『ガロ』は、マンガと言うより現代アート化して行きます。

校正原稿をそのまま表紙に使っております。中々、凝った表紙です。

ネジ-2

つげ義春さんの『ねじ式』をパロッた作品『おざ式』です。

汽車のところがペンを持った手になっております。吹き出しに「アッ! これではほとんど つげ義春のねじ式 そのまんまではないか」となっています。白々しいセリフが笑えます。

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赤瀬川原平著『赤瀬川原平の偶然日記』発売。

若い頃、上野さんや伸坊さん達と原平さんを囲んで、誰が一番、長生きをするか予想をしたことがある。全員、原平さんは一見、ひ弱に見えるが、こういう人が案外、長生きをして、友人の新聞や雑誌の追悼号に文を寄せたりするから、妬まれるような事はしないでおいた方が良い、どんな悪口を書かれるか判らないと話して、全員で笑ったことがある。

日記-2

尚子さんの「あとがきにかえて」を読むと、70歳を過ぎた頃から体調が崩れやすく、最後は誤嚥性肺炎で亡くなった。

冗談やユーモアが好きな源平さんだから、死ぬ時はこんな感じだと哲ちゃんに、天国から原稿を送って出版してほしいのだが・・・・。

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トーハン『新刊ニュース』11月号「人気著者のオススメ〇〇な時に読みたい3冊」に寄稿。

『新刊ニュース』恒例のアンケート特集です。

「お腹が空いた時に読む本」としまして、泉昌之の『かっこいいスキヤキ』と内田百閒さんの『御馳走帖』、北大路魯山人さんの『魯山人味道』を取り上げた。

表紙-1

泉のハードボイルドな食べ方は、まぁ、知らない町のスナック、寿司屋へ入ると、このタイプ、孤独なガンマン、素浪人になっていて、「何か一曲、歌われます?」などとママにカラオケを勧められると、増位山太志郎のご当地ソングなどを選曲して常連客のウケを狙ったりしてしまうのと似ている。

ページ-2

泉とコンビを組んでいた久住昌之も『孤独のグルメ』が注目を集めていて、フランスで出版されたB級グルメ本が10万部を超えてヒットしている。

ついでに『ガロ』の同人で言えば、内田春菊の『南くんの恋人』がフジテレビで11月から放映される。見て頂きたい。

詳しく見たい方はこちら。アンケートは近日公開となっております。

 

『キネマ旬報』10月下旬号発売。

今月は『ガロ』同人の杉浦日向子の原作を小林達夫監督が映画化した、『合葬』を取り上げた。

男っぷりの良い生き方をした日向子さんだから、青年達も凛として清々しく描かれている。

表紙-1

色を押さえた渡辺伸二の撮影も高屋齋の照明も良いし、美術も黒澤監督の下で働いていた馬場正男さんだから、危なげなく見ていられる。

私は常々、個人の才能よりもどのような時代に生まれたかの方がずっと重要だと思っている。時代が生き方を選ばせるのだ。だから切ない。若い人に見て貰いたい。

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ページ-2

70年代のロッテ『小梅』CFで組み、『三丁目の夕日』『永遠のO』『ドラえもん』などを手掛けた『白組』の社長、映像ディレクター島村達雄さんの3DCGアニメ作品『GAMBA ガンバと仲間たち』が公開です。

今号キネマ誌上で、外国アニメ、漫画に造詣が深い小野耕世さんと対談しております。

ガンバ-3

島村さん、言っていますが現在、ピクサーの一人勝ちといった 状況で、世界と共に走りたい映像の鬼、島村さんが、この状況に一矢報いたいと10年の歳月をかけました。

東洋のピクサーたらんと、日本初3DCGアニメ作品です。ご覧になって下さい。

チケット有難う御座います。見させて頂きます。

観たい方はこちら

 

 

『キネマ旬報』9月下旬号発売。

今回は、フランソワ・オゾン監督の『彼は秘密の女ともだち』を取り上げた。

結婚前からか結婚後かは判らないが、女装癖がある男が、妻の死後、周囲の誤解を解きながら、女装生活へと歩み出す物語である。

表紙-1

本題に入る前に、我が家で飼っていた老猫の死について書いた。

ネットに愛猫の死に際を吐露するホームがあり、死ぬ前に猫とは思えぬ鳴き声を上げた話が書かれてあった。我が家の猫も家人が寝静まった深夜、居間でツルの一声のように鳴いた事があり、あれは死をまじかに感じた老猫の、この世との惜別の鳴き声だったのだろうかと、コメントを読みながら思った。

大きな声で長く鳴く老猫の一声は、どこかこの国の民謡の様な哀調があった。

文章-2

女装趣味は無いが、友人の末井氏が以前、務めている出版社のコマーシャルに着物姿で出ていた事があり、それが中々の女前で、一緒に住んだら「あなた、ご飯にします。それともお風呂ですか」などと言ってくれそうな気がして、理想的な家庭が築けるなと思った。

また、何年前の話しだろうか、男性が密かに下着としてブラジャーを愛用している事が話題になったこともあったし、『とりかへばや物語』などの古典小説が在る国だから、女装をそう特別視する風ではないと思う。

映画の中で、車の中で化粧をする場面があり、運転している女友達が、マスカラは右目には右手、左目は左手ですると上手く塗れると助言をしていたが、女装癖の観客が趣味に生かせる情報をもっと入れると良かったかと思うが、女装趣味とは直接関係ないが、反同性愛の大規模なデモが行われたフランスだから、監督も慎重になっているのかも知れない。映像大学を卒業しているから、丁寧なカット繋ぎで、繊細な仕上がりになっている。

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『キネマ旬報』8月下旬号発売。

今回はリューベン・オストルンド監督の『フレンチアルプスで起きたこと』を取り上げた。

男はイザとなると、女、子供を置いて逃げてしまう頼りにならない生き物らしい。その証拠に監督は、過去の大事故の生存率のデーターを挙げ、妻子を置いて逃げてしまった夫と妻の葛藤を描いています。

表紙-1

データーを見ると、タイタニック沈没事故においては、男の自己犠牲がはたらいて、婦女子の生存率が高くなっているが、その後は、昨年の韓国の遊覧船沈没のように船長が逃げだしていることからも、女子供の生存率は低くなっている。日本での事故の男女生存率データーは無いが、欧米と日本の違いを素描してみた。

欧米との違いを含めて、内の夫は大丈夫か?鬼嫁、北斗晶夫妻とご一緒に映画をご覧になっては如何でしょう。

ページ-2

またホームの上旬特集記事の『進撃の巨人』、娘と孫が見て来まして、中々の迫力だったと話しておりました。

晴彦さんの作品、評判が良いとプロデューサーの方が申しておりました。お手伝い出来なく、御免なさいね。荒井監督の『この国の空』、見て下さい。

手に取りたい方は『キネマ旬報』ホームへ。

『キネマ旬報』7月下旬号発売。

今月はウォッシュ・ウェストモアランド、リチャード・グラッツァー共同監督『アリスのままで』を取り上げました。

コロンビア大学の言語学教授が、50歳で若年性アルツハイマー病を発症する話しです。

表紙- 1

何不自由の無い、絵に描いた様な中産階級家庭が、母親の発病で試練に立たされます。人生は判らないものです。

自分が自分で無くなって行くのは、どの様な感じなのですかね。ジュリアン・ムーアが熱演しております。

本文-2

私などは若い頃から時計も持たず、曜日もあまり気にせず生活をしてきました。ですから本文に書きましたが、色々失敗をしております。認知症テストを受けたら、重度の痴呆との診察結果が出るかもしれません。映画の中で認知症のテストを受ける妻に夫が反対します。判りますねー。

手に取りたい方はここ

『キネマ旬報』6月下旬号発売。

今月号の表紙は女優の若尾文子さんです。

現在、若い女性に人気らしい。また私も、若尾文子ファンの若い女性と会った事がある。

その若い女性と、若尾さん主演の邦画の話題で楽しいひと時を過ごした。

表紙- 1

キネ旬が1956年3月号で、若尾文子さんへのファンレターの分析をしている。女性ファンが圧倒的に多く、中でも平凡タイプのファンレターが最も多いと書いてあった。

また、外国の映画祭で「若尾文子特集」が組まれるなど、海外でも人気が高いそうです。

80年代ですか、建築家の黒川紀章氏と結婚し、その時の黒川氏の「若尾文子はバロックだ」との発言が記憶に残っております。

本文-2

今回の『読む、映画』は、現在、公開中のマイク・リー監督の『ターナー、光に愛を求めて』を取り上げた。

ターナーの評価に、見えない大気を描き、後の印象派の先駆けとあるが、今の私達から見ると、轟々と渦巻く劇性のある風景が印象に残る。この誇張した画面作りがターナーの特徴とも言えるし、速度のある時代変化の、ターナー自身の体感表現であるかもしれない。

ターナーの表現が、写実が形から色へとボヤけてゆく西欧絵画史の文脈の中にあることは確かで、時代の変化を認識していたことでは近代の画家と言える。

ドカエのようなくっきりとした明暗の画面では無く、バランスの良い柔らかな明暗画面を堪能して下さい。

手に取りたい方はここです。

 

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