『マンガ黄金時代60年代傑作集』(文春文庫)、『大人のロマンと子供の科学』に源平さんは、「そのマンガブームであるが、最高学府がマンガを読むというので、その取り合わせが面白かった。新しいと思った。なるほどとも思った。ちなみにいうと、当時の前衛的芸術表現は、その原理の底点、行くところまで行ってしまい、多少間の抜けた時代でもあったのである」と書いている。
そこで原平さんは、漫画の世界へと足を踏み入れ、漫画雑誌『ガロ』は、マンガと言うより現代アート化して行きます。
校正原稿をそのまま表紙に使っております。中々、凝った表紙です。
つげ義春さんの『ねじ式』をパロッた作品『おざ式』です。
汽車のところがペンを持った手になっております。吹き出しに「アッ! これではほとんど つげ義春のねじ式 そのまんまではないか」となっています。白々しいセリフが笑えます。
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赤瀬川原平著『赤瀬川原平の偶然日記』発売。
若い頃、上野さんや伸坊さん達と原平さんを囲んで、誰が一番、長生きをするか予想をしたことがある。全員、原平さんは一見、ひ弱に見えるが、こういう人が案外、長生きをして、友人の新聞や雑誌の追悼号に文を寄せたりするから、妬まれるような事はしないでおいた方が良い、どんな悪口を書かれるか判らないと話して、全員で笑ったことがある。
尚子さんの「あとがきにかえて」を読むと、70歳を過ぎた頃から体調が崩れやすく、最後は誤嚥性肺炎で亡くなった。
冗談やユーモアが好きな源平さんだから、死ぬ時はこんな感じだと哲ちゃんに、天国から原稿を送って出版してほしいのだが・・・・。
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