- 2017-04-24 (月) 11:37
- お知らせ
会期 4月29日~5月7日
所謂、ショートフィルムと呼ぶ作品群がある。古くはダリとブニュエルが組んだ『アンダルシアの犬』やピンスクリーン手法でアレクサンドル・アレクセイエフが制作した『禿山の一夜』、戦前から戦後へと繋ぐのは実験映画の巨人で、200あまりの受賞歴のあるノーマン・マクラレンの作品群など、そして戦後はウォーホルの映像作品やノイズ音楽を堪能できるマイケル・スノウ監督の『波長』などがある。
ディズニーの映画にはディズニーのキャラクター達が主人公の短編が付いて長編の前に上映されていたし、名作も多かった。また、1962年に開館した『アート・シアター・新宿文化』も、本編の上映前に海外の秀作短編アニメーション作品を上映していたことは、もう少し評価されてもよい事だと思う。
また同時期に久里洋二、柳原良平、真鍋博の三人によって結成され、草月会館にて始まった『アニメーション三人の会』も、この短編作品の普及に一役かったと言っても過言では無いだろう。
重要なのは実写、アニメを超えて短編映像作品がこの時期、小説の長編、短編と同じく個人の表現形式として存在を明確にした事である。背景には家庭用8ミリやビデオの普及などがあり、個人でプライベート・フイルムを制作し楽しむ人達が増えたことも遠因としてあげられる。70年代に入ってからの『ぴあ』の映像コンテストも、短編映像を作る若者を下支えしていると思う。
無論、教育やドキュメント作品に従来から短編作品は定着していたが、文字表現に短歌や俳句などが在る様に、映像にも3分や5分の作品があり、文字程の定型を持たないが、イメージの閃きを映像として定着する作家が多く生まれてきたことは間違いの無い事であるし、コマーシャル・フィルムもこの中へ入れても良いと思うのは私一人ではないだろう。
短くとも、作品のワン・カットに心奪われることはあるし、濃密なドラマを見たり読んだりした感動と同質のものがえられることも間違いの無い事である。現在、人気のピコ太郎の動画も、この短編の流れに入るだろうし、鉄拳のパラパラアニメも同じであろう。
私は70年代、8ミリフィルムがカセットになった事もあり、赤瀬川さんや嵐山さんなどと共に、1人、ワンカット監督と言う作品を作り遊んだし、アニメ協会員達とゾートロープを復元、電通ギャラリーでグループ展を開いたりもした。
東京開催後、各地を巡回します。
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