新年おめでとう御座います。
三が日、どんなお正月を過ごされましたか?我が家は全員揃って正月料理を食べました。本年もどうぞ宜しくお願い致します。
昨年、出版されましたインドの雑誌で、私の『花さく港』が収録されております。インドは以前も、私の作品集を出版しております。
今回の『花さく港』も『赤色エレジー』と同じく、誤解される作品と言うか、良く判らない作品になるかと思います。
エレジーは、当時のアニメ業界の話しですが、非正規社員、契約者と言うアニメーターが生まれた時代の話しで、当時のアニメ業界を知らないと主人公、一郎のフリーターのような生活が判り難いし、その後、派遣社員なども80年代に生まれていますし、不況になり、派遣村などがニュースになったことは、あの当時を経験された方などは御記憶にある事だと思います。
正社員と契約社員が同じ職場で働く問題点をテレビで取り上げたのは、エレジーを連載した時代よりずっと後の事になります。
この『花さく港』も、作品を読む限りにおいては、青年が旅へ出て、港町で異性と出会い、淡い恋心を抱きますが、旅人である青年は東京へと戻る事を決めた話となります。
大袈裟な最後の船での別れなどは、読者の想像を越えた作者の思いを描いたと取られても仕方がありません。
しかし私の思いは、東京一極集中の問題です。
東京に人々が集まるのは近代以前からで、江戸へ行けば仕事が有ると江戸へ人が集まって来たそうです。関西から関東へ経済の中心が移りつつあった時代です。
80年代に東京一極化はマズいのではないかと、遷都が話題になり私の所へも遷都についての是非を問う質問用紙が届きましたが、その後、遷都の問題は話題に上らなくなってしまいました。
作品の中で女性が『東京者は東京に帰る』と言うセリフが、地方と東京の問題を語っておりますし、ふるさと納税や少子化による地方の人口減などの過疎化、東京と地方の格差は出口が見つからない状況です。
模索は続いているようです。最低賃金を地方で高くしたらどうかとか、色々アイデアは出ていますが、中々決め手とになるような案は出ていないようです。
東京直下型地震などの問題もあります。地方と東京の問題は、考えなければいけない問題でしょうが、インドの読者に判りますでしょうか・・・。
本の紹介ぺ―ジはここです。
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