Home > Archives > 2016-05

2016-05

合田佐和子さんをお見送りする会

某日、品川プリンスで、合田さんをお見送りする会が開かれました。

ホテルの中は外国観光客であふれ、ホテル入り口には世界一周ヒッチハイクをしている日本青年が、旅を支援する人を求めたメッセージ・カードを首から下げ、立っておりました。

会場-1

合田さんとは20代の頃、対談でご一緒、致しました。

それからは個展会場や飲み屋でお逢いしておりましたが、一昨年ですか電話をかけて来られ、鎌倉の自宅の話などをされましたが、ちょっと呂律がおかしいなと思っていたところに、訃報が届きました。

あれが最後の電話でした。

会場-2

合田さんの平面作品は、来歴が判りません。

80年代にハイパー・リアリズムの作家が、ピントのボケた連作を発表しましたが、それとも違うボケた官能的な平面作品で、私は好きでした。

特に少年のヌードが良い。

遺族-3

また一人、旅立って行かれました。

ご冥福をお祈り致します。

 

『近代文学の150年』展

期間 4月2日~6月11日

会場 日本近代文学館

告知が遅くなりました。

夏目漱石、芥川龍之介から戦後作家までとの副題がついておりますが、芥川の古典復活をへて中野重治などのマルクス理論を応援に描かれるリアリズム文学へと、この辺りが戦前の大きな転換点でしょう。

チラシ-1

また、敗戦後の文字が印刷してあれば何の本でも売れたカストリ誌ブーム時代や性表現の問題に戦争文学について、それらは、これからの若手文芸評論家の肩かかっております。

 

アートシアター新宿文化・蠍座ポスター展

期間 5月21日~6月26日

会場 ポスターハリスギャラリー

60年代の後半、新宿にスポットがあたりました。

戦前の浅草から敗戦後のみゆき族、原宿族、六本木族を経て新宿に若者文化が移って来ました。しかし当時、マスコミは新宿族とは書きませんでしたね。「族」がつく名称で呼ばれた若者集団は六本木族までで、この後は下北、阿佐ヶ谷、高円寺と街の名前で、ファッションだと「JJ」とか「しぶかじ系」とか、マスコミは「系」を付けて呼びました。

歌舞伎町コマ劇場前からの『今夜、何が起こるか判らない。木島則夫ハプニング・ショー』などのテレビ中継番組が象徴するように、また、ビート武さんが勤めた『風月堂』や『青蛾』などの喫茶店が学生達を集め、そこへ学生運動も重なりますから新宿はもう大変と、林家三平師匠が頭を抱える状態で、ビートルズの武道館コンサートに、20世紀最大のデザインと評されたミニ・スカートのブームが若者文化を押し上げますから、三島さんも残る目立つパフォーマンスは切腹しかないと考えたとの穿った見方も考えられる状況でした。

ぽっくり寺へのバス・ツアーに老人たちが詰めかけ、テレビ東京は連日の様に昼の映画時間に、題名は忘れましたが老人を墓場に集めて若者が自動小銃で皆殺しにする映画を流しておりました。これは映画『オーメン』の中に唐突に挿入された、施設に入るのを拒む車椅子の母親を、息子が強引に連れて行くカットなどを見ると、欧米でも似たような若者文化が台頭、拡散して行く状況があったのでせう。

現在の老人は、ベランダから外に放り投げられる時代です。

この時代の大衆文化の天岩戸の前で唄い踊ったのが天鈿女命こと山本リンダさんの『もうどうにもとまらない』です。

その頃、全米消費者団体の排ガス規制をクリアーしたトヨタ車が、北米で売り上げを伸ばし天岩戸が開くと、中から出てきたのは総中流と答えた主婦達でした。

デトロイトの自動車労働者がハンマーで日本車を壊すニュース映像が流れるのは80年代に入ってからで、日本の国民の半数が戦争体験していない若者世代社会に変わるのは70年代半ば頃です。『悟り世代』の皆様、お判りになりましたでしょうか。

ポスター1

その新宿文化の一翼に、アートシアター新宿がありました。

岡本太郎さんデザインのチケット・パンフレット・劇場の内装など、今までの映画館とは一線を画した劇場で、そこでフランスで起こった『ヌーベルバーグ映画』をいち早く取り上げ上映しましたから、映像ファンはこれを見ないと明日は無いと詰めかける日々が続きました。

アートシアターでの私の仕事は、実相寺監督の『曼陀羅』のポスターです。

カンヌ映画祭での上映では、私のポスターを襖大に拡大して、映画館ロビーに並べたと葛井プロデューサーから聞きました。このポスターが展示されているかは、判りません。近くにお寄りの節は、お立ち寄りください。

 

論座『検証 赤瀬川原平の仕事』

某日、渋谷の勤労福祉会館で講座が開かれました。

鼎談は映画評論家、高野慎三氏と同じく映画評論家の山根貞夫氏、ぐーっと若くなって私です。

渋谷の勤労福祉会館は便利な所に在ります。パルコの真ん前ですよ。

卓球台がある部屋や器具の揃ったトレーニング・ジムもあります。

渋谷の若者、お年寄りは使わない手はありません。税金で運営しておりますからね。

えっ、麻雀は出来ないかって・・・。お年寄りに麻雀は人気ですよね

会館-1

赤瀬川さんの60年代、70年代の仕事が検証の対象ですが、やはり『0円札裁判』の頃が中心になりました。

法廷に出品された『ハイ・レッド・センター』の法廷内での並べ方や、裸体にトイレットペーパーを巻き付けた作品が動き回るので、裁判官に「モデルは動き回らないで下さい」と注意され、弁護側は「この作品は、動く事を考えて作られた作品です」との反論など、高野氏の報告は精緻を極めました。

法廷に現代美術作品が陳列された、日本近代美術史上、無い出来事です。

三人-2

また『漫画主義』の刊行についても議論がなされ、やはり今から振り返ると、漫画を論じる評論の萌芽の役割はあったと私は思います。

観客席に映画評論家の上野昂志氏も見えられ、なな、なーんと、ながちゃんまで聞きに来られておりました。

おかーさん、です。

ながちゃん-3

鼎談の後、飲み会になりまして、若い映像作家、編集者、評論家に漫画家等々、渋谷の夜が更けるまで語り、飲み明かしました。

音楽関係の方は、あの時代への関心が高いですね。

イギリスでもレコードでの発売とか、アンテナが鋭いです。

以前、トーク・ショーで語りましたが、歌謡の詞と戦後については私に語らせなさい。論座さん。

 

恒例『中興忌梵網会 うちわまき法要』

日時 5月19日 一時より。

会場 唐招提寺

毎年、唐招提寺の『中興忌梵網会』の「うちわまき法要」絵うちわを描かせて頂いております。

ハート1

今年の「うちわまき法要」は三時からです。

新緑の季節、唐招提寺のお庭を散策されるのも、宜しいかと思います。

『キネマ旬報』5月下旬号発売中。

今月はドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の『ボーダーライン』を取り上げました。

アメリカ大統領選で頭角を現しましたトランプ氏が、「メキシコとの国境に高い塀を築け」と発言し、支持層の低所得者白人層から喝采を浴び、それまで支持していたヒスパニック層が離れて行きました。

表紙-1

ヒスパニックからすると「もともとアメリカは私達の土地だった」となりますから、メキシコでは子供が人形にお菓子を詰めて棒で人形を叩き、お菓子を取り出すお祝い行事がありますが、今年は人形がトランプ氏になっていたそうです。

コロンビアの麻薬組織をアメリカが制圧したら、それがメキシコへとなだれ込んで来たような状況がメキシコで起きていると、メキシコ在住の方が話しておりました。

本文-2

アメリカとの国境沿いの街フアレスが舞台ですが、殺人が起ってもニュースにならないほどの街だから当然、撮影許可が下りなかったと言います。

アクション映画は、その時々の緊張した政治、経済の問題を取り上げてきました。そこがアクション映画の特徴であり、魅力ですから、制作現場もアクション映画そのものでせう。

嗚呼・・、六十年代の映画『ビバ・マリア』や岡本太郎さんが壁画を描いていた頃のメキシコが懐かしい。オリンピック前年辺りから、メキシコはおかしいですね。

死んだ父の部屋でサッカーボールを手に、佇む子供が印象的でした。アクション映画好きは見とくべきでしょう。

『キネマ旬報』ホームはこちら

『絶対的無機質展』

会期 5月5日~5月17日

会場 プロモ・アルテギャラリー

メキシコでお世話になったマヌエルさん、矢作さん、それにアベルさんの作品展です。

0505_mineralidad_dmb

私の守護神、千菜ちゃんのお父さんの矢作さんです。
キューバでも奥さんと千菜ちゃんを連れて、個展、講演のサポートや通訳をして頂きました。

矢作-2

矢作さんの作品は、同じものが並ぶというところは、ポップ・アートのアンディと似ております。そこにメキシコ味を加味していると言えば、当らずとも遠からずの解説になるのではないでしょうか。
メキシコの自動車の玩具で、同じものをセッセと作りました。

作品-3

マヌエルさんの作品です。メキシコ個展で、夕食会に招待されました。
大きくて人懐っこい犬を飼っております。

作品-4

矢作さんのお土産ですが、何だと思いますか。
ちょっと手に入らない、薬効がある植物の種?ですかね。水に入れると一つが沈み、もう一つが浮きます。沈んだ方がオスで浮くのがメスだそうです。

石-5

パンツの左右のポケットに一つずつ入れていると、腰から下が温かくなり、健康にすこぶる良いそうです。あっ、カッチカチや長く太くなる効果は無いそうです。

青山ですから、近くへお寄りの節は、足を運んで下さい。

メキシコでElegía roja, de Seiichi Hayashi展

メキシコ・ベラクルスでの『赤色エレジー展』です。

タイトル-1

会場は、ベラクルス州ベラクルス市の「ベラクルス大学図書館ギャラリー(USBI)」だそうで、海沿いの(Boca del Rio)レストランに行く通りにある大学です。

タイトルのディスプレーが、日本では見られないデザインで、中々良いですね。

会場-2のコピー

矢作講師の教え子さん達ですか。女学生はボニータです。

真ん中の少女が私の守護神、ティンカーベルの千菜ちゃんですか、見ない内に大きくなりました。『アナと雪の女王』をスペイン語で熱唱している姿が目に浮かびます。

学生-3

開催期間は二か月程だと聞いております。

ゴールデン・ウイークの後半、メキシコ旅行を楽しんでおられる皆さん。チョッと足を伸ばして、ベラクルスで開かれている私のエレジー展を覗かれては如何でせうか。

会場-4

個展の詳細はここで。

Home > Archives > 2016-05

Search
関連リンク
  • ロッテ 小梅だより
    ロッテのキャンディ『小梅ちゃん』のファンページ。『小梅ちゃん』のプロフィールやパッケージに展開されている『小梅恋物語』などを詳細に掲載しています。
  • 名匠雑貨店
    叙情画の匠が贈る雑貨店
  • 日本アニメーション協会
    林静一が所属する日本アニメーション協会のホームページ。
  • 林静一オフィシャルサイト
    オフィシャルサイトはこちら。
  • 菓匠三全
    林 静一が包装等をデザインする、仙台銘菓『萩の月』の三全のホームページ。
  • 青林工藝舎 アックス
    林 静一が南伸房、水木しげるらと審査員を務める 青林工藝舎「ax(アックス)」のページ。
Feeds
Meta

Return to page top