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アートシアター新宿文化・蠍座ポスター展

期間 5月21日~6月26日

会場 ポスターハリスギャラリー

60年代の後半、新宿にスポットがあたりました。

戦前の浅草から敗戦後のみゆき族、原宿族、六本木族を経て新宿に若者文化が移って来ました。しかし当時、マスコミは新宿族とは書きませんでしたね。「族」がつく名称で呼ばれた若者集団は六本木族までで、この後は下北、阿佐ヶ谷、高円寺と街の名前で、ファッションだと「JJ」とか「しぶかじ系」とか、マスコミは「系」を付けて呼びました。

歌舞伎町コマ劇場前からの『今夜、何が起こるか判らない。木島則夫ハプニング・ショー』などのテレビ中継番組が象徴するように、また、ビート武さんが勤めた『風月堂』や『青蛾』などの喫茶店が学生達を集め、そこへ学生運動も重なりますから新宿はもう大変と、林家三平師匠が頭を抱える状態で、ビートルズの武道館コンサートに、20世紀最大のデザインと評されたミニ・スカートのブームが若者文化を押し上げますから、三島さんも残る目立つパフォーマンスは切腹しかないと考えたとの穿った見方も考えられる状況でした。

ぽっくり寺へのバス・ツアーに老人たちが詰めかけ、テレビ東京は連日の様に昼の映画時間に、題名は忘れましたが老人を墓場に集めて若者が自動小銃で皆殺しにする映画を流しておりました。これは映画『オーメン』の中に唐突に挿入された、施設に入るのを拒む車椅子の母親を、息子が強引に連れて行くカットなどを見ると、欧米でも似たような若者文化が台頭、拡散して行く状況があったのでせう。

現在の老人は、ベランダから外に放り投げられる時代です。

この時代の大衆文化の天岩戸の前で唄い踊ったのが天鈿女命こと山本リンダさんの『もうどうにもとまらない』です。

その頃、全米消費者団体の排ガス規制をクリアーしたトヨタ車が、北米で売り上げを伸ばし天岩戸が開くと、中から出てきたのは総中流と答えた主婦達でした。

デトロイトの自動車労働者がハンマーで日本車を壊すニュース映像が流れるのは80年代に入ってからで、日本の国民の半数が戦争体験していない若者世代社会に変わるのは70年代半ば頃です。『悟り世代』の皆様、お判りになりましたでしょうか。

ポスター1

その新宿文化の一翼に、アートシアター新宿がありました。

岡本太郎さんデザインのチケット・パンフレット・劇場の内装など、今までの映画館とは一線を画した劇場で、そこでフランスで起こった『ヌーベルバーグ映画』をいち早く取り上げ上映しましたから、映像ファンはこれを見ないと明日は無いと詰めかける日々が続きました。

アートシアターでの私の仕事は、実相寺監督の『曼陀羅』のポスターです。

カンヌ映画祭での上映では、私のポスターを襖大に拡大して、映画館ロビーに並べたと葛井プロデューサーから聞きました。このポスターが展示されているかは、判りません。近くにお寄りの節は、お立ち寄りください。

 

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