Home > お知らせ > つげ忠男×中里和人 二人展 初原の風景 -光と闇の間に浮かぶもの-

つげ忠男×中里和人 二人展 初原の風景 -光と闇の間に浮かぶもの-

期間 3月9日~19日

会場 ANEAL Gallery 現代美術製作所

1968年の『ガロ』デビュー以来、劇画表現に新たな地平を切り拓いてきた劇画家・つげ忠男。

そして、開発前の東京湾岸の荒野を撮影した「湾岸原野」から、もうひとつの闇の東京を幻視する「東亰」(とうけい)まで、都市とその周縁で、陰影の深い風景写真を撮影する中里和人。

それぞれ独自な視点で風景の境界を探ってきた二人が、光と闇をキーワードに競演。ひとときのワンダーランドを、路地奥の長屋空間に出現させます。

b0165526_17165426

一昨年ですか、忠男さんの映画完成の劇場で対談相手として呼ばれました。

その対談での話をなぞれば、つげさんの作品は、イギリスの『怒れる若者たち』世代の作家、アラン・シリト―の『土曜の夜と日曜の朝』等の作風と似ていること、イギリス労働者階級の閉ざされた青春を生きる若者の鬱屈とした精神とどこかつげ忠男の作品は重なって見え、見事です。

また、敗戦後の青年達のやり場の無い怒りは、諸外国の若者達から敗戦後の日本が理解出来るとの反響がありました。

もう一つ語れば、劇画の命名者、辰巳ヨシヒロ氏や水木しげる氏とつげ忠男氏のコマ絵の線が似ていることで、これを前谷惟光氏の『ロボット三等兵』のどこか投げやりな線と繋げて、この線をして敗戦後の何かを断念した精神と語ることは容易だが、つげ氏の兄、つげ義春氏のコマ絵の線が従来の画家達の線に近いことで、時代として括ることは出来ない。

また、水木氏の描くキャラクターが、70年代の総中流化社会の中で古びず存在していた事を当時、驚きを持って見つめていた私です。

七十年の衝撃のガロ忘年会に出席した少ない作家の一人、つげ忠男氏です。是非、観て下さい。

 

Comments:0

Comment Form
Remember personal info

Trackbacks:0

Trackback URL for this entry
http://hayashi-seiichi.com/wp-trackback.php?p=9469
Listed below are links to weblogs that reference
つげ忠男×中里和人 二人展 初原の風景 -光と闇の間に浮かぶもの- from Seiichi Hayashi Art world

Home > お知らせ > つげ忠男×中里和人 二人展 初原の風景 -光と闇の間に浮かぶもの-

Search
関連リンク
  • ロッテ 小梅だより
    ロッテのキャンディ『小梅ちゃん』のファンページ。『小梅ちゃん』のプロフィールやパッケージに展開されている『小梅恋物語』などを詳細に掲載しています。
  • 名匠雑貨店
    叙情画の匠が贈る雑貨店
  • 日本アニメーション協会
    林静一が所属する日本アニメーション協会のホームページ。
  • 林静一オフィシャルサイト
    オフィシャルサイトはこちら。
  • 菓匠三全
    林 静一が包装等をデザインする、仙台銘菓『萩の月』の三全のホームページ。
  • 青林工藝舎 アックス
    林 静一が南伸房、水木しげるらと審査員を務める 青林工藝舎「ax(アックス)」のページ。
Feeds
Meta

Return to page top