期間 12月14日〜2019年2月24日
会場 Laznia Centre for Contemporary Art
昨年12月より始まっております『Fluroescent Chrysanthemum展』で、私のアート・フィルム『かげ』が上映されております。
『かげ』は広島の銀行の階段に原爆で焼き付いてしまった人の影をあつかった作品です。
原爆がさく裂した時の強い光と熱によって、建物や地面に影が焼き付きます。米軍も我が国の無条件降伏後、原爆の調査に広島、長崎に入り、影という項目をもうけ、焼き付いた影を撮影しているほど、原爆投下後の広島市内のいたるところに影が焼き付いておりました。
その中でも、銀行の石段に焼き付いた人の影は有名ですが、この作品を制作した20代の頃、まだ焼き付いた影の人物の性別も名前も判りませんでした。
その影を見るたび私は、影になった人物の「私は此処に居た」との叫びを聞き取ったように思え、影になった人物がもし原爆が投下されなかったらと、その後の足取りを想像し映像作品へとまとめました。
ポーランドはショパンが生まれた国であり、私の青春時代に見た映画の中で強く記憶に残る作品を生み出した国です。『灰とダイヤモンド』『地下水道』それに若者四人でポーランドのナチス司令部を襲撃する映画等です。
敗戦後イタリア・リアリズム映画が我が国にも輸入されますが、この頃のポーランド映画の方が、リアリズムにおいては精緻ではないかと思っております。
この映画でナチスの検問を突破する若者の一人、女性の膝に置かれたバイオリン・ケースを指して検問のナチス兵士が中身を問い質すと、女性がナチス兵士の顔をジッと見つめて「マシンガン」と答えるカットはカッコ良く、司令部の中庭に乗り付けてそのバイオリン・ケースから機関銃を取り出し、車を走らせながらバリバリとナチス兵士と銃撃戦を繰り広げる女性とポーランド青年達が、またカッコ良かったです。
ポーランドに行かれたら、足をお運び下さい。
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