- 2021-03-30 (火) 10:33
- お知らせ
期間 3月19日~6月20日
三月にブログでお知らせした『アート・シアター・ギルド』で上映された映画のポスター展です。
私が東映時代に開館し、映画好きなファンを魅了し、大衆娯楽映画とは一味違う、今では映画監督に成りたいと思う若者の多くが思い描く監督像の作品を、上映しておりました。
フランスで花開いた『ヌーヴェル・ヴァーグ』の作家を中心に、『松竹ヌーヴェル・ヴァーグ』の大島渚や篠田正浩、吉田喜重の我が国の若き監督達も発表する場を得て、次々と作品を生み出した時代でもありました。漫画雑誌『ガロ』も似たところがありますね。
また当時は、映画からテレビへと大衆の楽しみが移りつつあった時代で、そこへ登場した新しい作品群は、映画ファンのみならず多くの人々の耳目を集め、映画産業の行く末を占う映画運動となっていたのも事実です。
それに作品上映前に、これも当時、目にすることが少なかったセル・アニメ以外の素材で作られた短編アニメーション作品が上映されておりましたから、東映動画に勤めていた私には、プロとして大変、刺激を受け、参考になりました。
背景課に入り勝手に自分で背景を描く様なこともして、課長から「スタンド・プレーはするな」と釘を刺された事もありました。
それから十年は経ったのでしょうか、刺激を受けたアート・シアターから実相寺監督作品『曼陀羅』のポスター制作の依頼をうけ、描く事になりました。葛井プロデューサーから外国映画祭への出品も決まっていると伝えられ、差別化の意味を含めて、日本の意匠が出るよう努めて描いた記憶があります。
それが今回の回顧展で、『お気に入りの映画ポスター投票』が有ることも知りませんでしたが、なな、何と、来館者の人気ナンバー・ワン・ポスターになるとは、思ってもおりませんでした。
一票を投じた来館者の皆様に深く頭を下げさせて頂きます。有難う御座いました。
『アート・シアター・ギルド』で上映された作品の精神は、今も世界の映画製作者の心に燃え続けております。
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