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高野慎三著 『神保町「ガロ編集室」界隈』

劇画ブームの中心に在った漫画月刊誌『ガロ』編集室に在籍していた高野氏の当時の思い出を綴ったエッセイです。

私の作品を巡って編集室の動き等が書かれております。

当時の私は、月岡氏の立ち上げたアニメ制作会社で、日本テレビの番組『素晴らしき世界旅行』の担当を任され、大島渚監督の『大東亜戦争』前、後編のアニメを担当したり、ニューギニア奥地の部族を七年間追い続けたドキュメント・フィルムのタイトル・デザインを任されたりと、朝の九時から退社時間の夕方五時までテレビ局の試写室に籠り、未編集のフイルムを見続ける生活をしていたから、漫画原稿を持って青林堂を訪れ、社長の長井さんからタオルと石鹼を借りて銭湯へ行くのが息抜きであり、楽しみであった。

それは東映動画スタジオのテレビ短編アニメのブームが起こる前の、動画スタジオの緩やかな時間と似ていた。

チラシ-1

その青林堂へ、白土さんの時とは違う、劇画ブームの第二波が訪れ、NHKからは密着ドキュメントを撮らせてくれとの依頼やら、つげ、マキ、私のテレビ出演等々、青林堂編集部も騒がしくなり、七十年代初頭から始まる報道局総力を上げて取り組むドキュメント番組の契約を私自身、運営責任の一翼を担っていた制作会社は取り交わしていたから、私の身は二つに引き裂かれて行った。

また、何故そうなったか詳しく語らないが、つげさんの作品発表の場として高野氏と相談、北冬書房を立ち上げ、漫画雑誌『夜行』を発行するに至った。

六十年代後半から七十年代初めは、『ガロ』の白土さんの休載をはじめに次々と問題が発生した時代でもあり、東映動画からのアニメも、草月での久里さん達のアニメに触発され、ショートフィルムの制作、出品に手を染め、アニメ協会設立にも参加していたから、身はいくつ有っても足りない時代であった。

漫画も八十年代までは『夜行』に発表し続けたが、『ガロ』に発表する時間は無くなっていた。

『夜行』に描いた作品『鱗粉』は、双極性障害の母を抱えて生きる青年の悩みと、母の自殺未遂の事件を絡めて描き、善人として生きる道を拒む役目を私自身に与えていて、私にとって聖書のような作品である。

人の一生は重荷を負うて遠き道をゆくがごとし・・・・。

北冬書房の忘年会は楽しく、鈴木清順監督や詩人の秋山清氏に吉本隆明氏のお嬢さん、漫画家のハルノ宵子さんなど、楽しい酒宴として記憶している。何故、吉本氏はテレビに出演しないのかとの記者の問いに「顔が悪いからでしょう」と答えた吉本氏だが、ハルノ宵子さんは美人です。

高野さん、また北冬書房の忘年会でも開きませう。少人数でね。

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