- 2020-08-14 (金) 12:04
- お知らせ
会期 8月12日(水)~11月15 日(日)
本企画展では、自身の戦争体験をマンガという表現で伝えてきた二人の歩みと、次世代の漫画家たちが、戦争体験者からのバトンを受け取って描く作品を紹介します。(ホーム企画展紹介文より抜粋)
月刊漫画雑誌『ガロ』の編集長、長井さんによれば、満州の酒場でお酒を飲んでいた時、「今度の戦争は負けるらしい」と他の席で呑んでいる人たちの会話が聞こえて来たそうです。翌日、船に乗り、日本へ帰って来たそうです。
人の口に戸は立てられないと言いますが、当時、多くの邦人の耳には届いていたのかもしれません。
コロナの影響で、会場は三密にはなっておりません。ゆっくり鑑賞できます。御覧になって下さい。
BBC制作のドキュメント『セレンゲティ』を見ておりました。子を失った母親キリンが、横たわる我が子の亡きがらを見つめて立っております。
その近くで、チーターの母親が子供達に、巣立ちの狩りを教えています。
チーターの母親はガゼルの子供を殺さず捉えて、子供達の前に放ちます。逃げるガゼルの子供をチーターの子供達が追いかけ、前足で倒します。倒れたガゼルの子供は必死に前足で立ち上がり、全力で逃げます。
これを何度も繰り返しながら、チーターの子供達は狩りを覚え、親からの自立をとげるのですが、これを見ていた子を亡くしたキリンが走り寄り、チーター達をけちらかし、ガゼルの子供を母親の元へと返します。感動的なシーンです。
この様なドキュメントに対して批判があります。古くはディズニーのドキュメンタリー作品に対してで、多くは動物学者からのものです。あまりにも人間の感情に添って描きすぎるというものです。
キリンがチーターを蹴散らかし、救われたガゼルの子供と母ガゼルが並んで走るカットは同一の親子で、チーターに捉えられた子供なのかと。確かにそこを繋ぐカットはありません。
救われた子供ガゼルにカメラは密着し、ドキュメントの名作、フラハティ監督『アラン』の嵐のシーンと同じく追って迫り、母ガゼルのところに行くまでBBCのドキュメント制作スタッフは追い続けなければいけなかったでせう。
撮影対象が刻々と変化する中での判断、難しいと思いますが、水辺へ集まる生き物達を干ばつ、雨季を通じ描き続けた力作なら、この母キリンの感動的なシーンを丁寧に撮って欲しいと思いました。
もう一つBBCアースにお願いしたいのは、川や池に居たカバ、ワニ、ニシキヘビ等は、干ばつ期には何処へ行っているのでしょうか。象もシマウマもガゼルも何処かへと姿を消しているのですが、水の生き物たちが捉えられていないのが残念です。
続編を御願い致します。
十代の頃からドキュメンタリー映画が好きで、銀座に在る東宝会館の屋上近くのドキュメント映画館に通い、名作『マリン・スノー』の動物の死骸が雪の様に降り積もる海底の美しい映像や、まだ精神病の認識が広まる前の精神病院の患者さん達を記録したドキュメント等々、見続けていた思い出があります。
映画と同じく漫画も娯楽の要素が強く、多くの人はその様な作品を求めますが、漫画表現はそれだけではありません。
拙著『赤色エレジー』では、作品を連載していた頃の歌が随所に挿入されておりますし、『Ph 4.5 グッピーは死なない』では、著名知識人の書籍はもとより、テレビでの発言も取りあげております。
また、世界中の漫画家達が、目の前で起こった出来事を漫画として書き止め、作品として発表しておりますし、20世紀以降の重要な表現の一つとなっております。
「高畑勲展コラボ企画:セロ弾きのゴーシュ」上映会
期日 8月30日(日) 1)10:00、2)11:40、3)13:20、4)15:00
会場 オリエント美術館地下講堂(城下・岡山市北区天神町9-31)
参加費:一般1,200円、学生800円
主催:岡山映画鑑賞会
E-mail:okayamaeikan@max.hi-ho.ne.jp
新型コロナウィルス感染防止のため、マスクの着用をお願いします。
各回の参加人数は25人に限定します。(先着順に受付します)
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