- 2019-08-20 (火) 14:31
- お知らせ
「まえがき」に、僕が自殺の事を書くようになったのは、母親が愛人とダイナマイトで心中していて、そのことをまるで仇でも取るかのように書きまくっていたからです。と末井さんは書いている。
この激しさは親譲りなのか、火の点いたダイナマイトを背負いながら走る末井さんを見ているとそんな気がしてならない。
近年、親しい人が自殺をした。西部さんである。新宿で娘さんと別れ多摩川へ向かわれ、入水自殺をされました。
自殺前年、西部さんとお会いした時に、私の耳元で小声で話をなされたことが、江藤淳さんの自死と何処か重なり、毒杯をあおったソクラテスの意思に通ずるものを私は見ております。
西部さんの自殺を幇助した罪でテレビ制作会社の若者が逮捕されております。
下記の鴎外さんの『高瀬舟』と通じるところが在ります。
江戸時代の『大岡裁き』は、むしろ近代になり映画、テレビ等で脚色され庶民の感情に添う人情味のある裁きとして語り継がれておりますし、現在の犯罪にしてもSNSやツイッターでこの感情は正義として生き続けております。
証拠が無ければ、自殺ほう助はグレーゾーンの殺人と見られます。法で割り切れない余りの残る感情を私達はどうするか、まだ明快な出口は見つかっておりませんが、法は自然ではありませんから、変えることも出来ます。どう変えるか決めるのは私達だと言う事だけは確かです。
手に取りたい方はここです。
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