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2020-03

『映画ポスターの革命』

期間 4月25日~6月14日

会場 鎌倉市川喜多映画記念館

 

送られて来たチラシに4月1日よりとなっておりましたが、コロナウイルスの流行により、ホームには4月25日に展覧会開催となっておりました。早々と告知してしまいました。

副題に『ATG(アート・シアター・ギルド)の挑戦』とあります。

この時代、映画界にとって、敗戦後の娯楽の王座をテレビの出現で奪われる過渡期であったと思いますし、また映画界は、減り続ける観客を前に新しい映画を模索する時代であったと思います。

そこに出現したのが、アート・シアター・ギルドであり、フランスで起こった映画の新しい波『ヌーベルバーグ』を紹介する意味も、我が国の大手映画会社では出来ない映画を製作、公開する場を作る意味があったのだろう。

このメディアの変革期に、学生運動や手塚氏の『鉄腕アトム』テレビ放映や子供漫画から『劇画』の誕生、久里洋二氏のアートアニメの登場を含めると大変、目まぐるしく変化する時代であった事が若い方にもお判りいただけるのではないかと思います。

チラシ- 1

また、写真と言えばスチール写真であった時代から、家庭でも楽しめる家族の動く記録写真とも言える小型映画、八ミリ映写機が普及したのも見逃せない時代であり、この流れが現在のコンピューター時代へと繋がり『スマホ』で撮影された極私的な出来事を『YouTube』等で皆が楽しむ時代へと繋がっております。

アート・シアター・ギルドの公開作品のポスターを概観すれば、従来の五社大手映画会社のポスターは、スターの写真を使用しておりますが、ギルドのポスターは画家やデザイナーを起用したところに特色があります。

それ以前にハリウッド映画に於いても、フランク・シナトラ主演の『黄金の腕』や『ウエスト・サイド・ストーリー』の冒頭導入部シーンなどにグラフックデザインが使用されております。

この展覧会に私の制作したポスターも展示されております

1971年製作、実相寺昭雄監督の『曼陀羅』です。展示されているのはカタログの表紙になった作品で、もう一つ描いた、田村亮さんが女性の乳首に吸い付いているポスターが、何処にも収蔵されておらず、当時、外国の映画祭でこのポスターをロビーに襖貼りで並べたとプロデューサーの葛井さんから報告を受けたことを記憶していますから、このポスターだけ人気が高く、多くの人が求めて無くなってしまったのではないかと思います。

まだこの時代、ポスターは宣伝物と見做され、現在の様にポスターを売るという事は無かったように思います。現在も駅張りの広告宣伝用は販売物とはみなしていないと思います。

映画が娯楽の王座をテレビにとって変わられる時代に、『映画とは何だったのか』と自ら問い、模索した時代の作品群です。

それ故に哲学的で、今の私達に響くものがあり、『ミーゼネレーション』時代の現在に通用する作品になっております。

広島国際アニメーションフェスティバル、国際選考委員決定。

今年、広島JMSアステールプラザで8月20日~24日にわたり開かれるアニメ映画祭の、国際選考委員が決まりました。

日本からは映像作家の大西宏志氏が務めます。

コロナが世界的に見ても微妙な局面にありますから、世界の作家が広島に集まることは予断を許さない状況です。

チラシ-1

また、フランスのアヌシーでは毎年、アニメ映画祭が開かれていますが、こちらも審査員を含めアニメ関係者の来仏は微妙ですし、中国は今年、アニメ映画祭の開催予定は無いのでしょうか。

どちらにせよ、コロナの世界的感染の状況しだいと言う事になりそうです。

特別プログラムにキューバの作品があります。以前、キューバを訪れた時に、社会主義国同士の交流は盛んですが、資本主義国との交流が少ないので、積極的に伝統あるアヌシー映画祭にも作品を出されてはとお話しました。

フェスティバルディレクター・木下さんからメールを頂きました。

「現在、私共は8月の第18回フェスティバルHIROSHIMA 2020の開催に向けて鋭意準備を進めております。

この度の新型コロナウィルス感染症の状況を注視しながら、皆様には、随時、公式サイト及びメールにて、フェスティバルの情報をご案内させていただきます。

皆様のご理解とご協力をよろしくお願いいたします。

このような状況にもかかわらず、HIROSHIMA 2020のコンペティション作品募集に関しましては、これまでに多くの皆様からご応募を頂いておりますが、いよいよ応募締切が迫ってまいりました。

応募締切は、2020年4月1日(水)です。

応募がまだお済みでない方は、以下のページよりお手続きください。

https://www.hiroanim.org/04compe/entries

素晴らしい作品のご応募を、心よりお待ちしております。

皆様におかれましては、ご健康に十分ご留意されお過ごしください。」との事です。

応募作品はコロナに負けず集まっているようです。受賞すれば自動的に米国アカデミー賞ノミネート作品に選ばれます。マスコミのフラッシュを浴びながら、赤絨毯を歩いて下さい。気持ち良いですよ。

沢渡 朔「なぎさホテル」

会期 3月12日(木) – 4月26日(日)

会場 SUPER LABO STORE TOKYO

 

題名が良いですね。低成長時代のけだるさが出ています。

沢渡さんは以前、バタイユの『マダム・エドワルダ』からの着想を得た写真を撮られましたね。

全裸に毛皮のコートを羽織り、深夜の銀座通りを走り抜ける外国モデルさんは美しかったです。

ベルギーの『小便小僧』立像前の通りにオレンジ色の街路灯が立っていて、あー、こんな色合いの中をエドワルダは馬車に乗ったのではないかと、街路灯を見上げたことがあります。

チラシ-1

日活のスタジオで、アメリカン・スクールの子供達に、子供服の元祖、ケイト・グリナウェーの子供服を着せたコマ―シャルを撮りましたが、沢渡さんにムービー・カメラでの撮影をお願いして失礼しました。

私、実写ムービーの時は、何故かスチール写真家にお願いしてしまいます。何故ですかねー。

撮影後、子供たちのお母様方にケイトの服は大人気でした。

たむらしげる個展「Croissant de Lune」

会期 3月16日~28日

会場 Pinpoint Gallery

 

たむらさんの個展です。

たむらさんは『ガロ』の同人ですが、製薬会社のコマシャルの仕事で絵を頼みました。

30秒のコマーシャルで1カット1秒という目まぐるしい作品でしたが、後年、製薬会社に入社した若い人たちから、凄い、凄いとお褒め頂きました。

たむら-1

現在、ハリウッドのアクション映画で、最後まで目まぐるしいカットつなぎの作品を目にすることが多くなってきました。

私にはちょうど良い速さの作品に思えますが、多くの観客には、瞬時に過ぎ去って行くカットを追うのに疲れてしまうのか、心配です。

たむらさん、お元気で何よりです。

「エム ナマエ展」

会期 3月9日~14日

会場 檜画廊

昨年3月に亡くなられたエムさんの一周忌個展です。

盲導犬が亡くなった時には、エムさん力を落していましたね。

盲導犬はエムさんの好みを理解していて、御横断歩道で信号待ちをしている可愛い女性が居ると、エムさんをその女性の方へと誘導するそうです。

こいつ可愛いんだよと、エムさんは笑います。

まぁ、見えないエムさんに可愛い女性と判るのかは、深く詮索せずにしておきましょう。

チラシ- 1

エムさんは唄が上手い。

唄うのが上手い人とカラオケをご一緒するのは、皆さんもあまり好きではないでしょう。自分の下手さ加減が判り、唄う楽しさが失せてしまいます。

カラオケは同じレベルで唄うのがちょーど良いのですが、エムさんが唄うともう、誰も次の曲を入れませんから、「あれっ、皆、唄わないの」とエムさんは好きな曲を自分で入れ、独演会になってしまいます。

また、ビートルズの曲など英語で唄うんですねー。皆さんも苦手でしょ、えーごで唄う奴と言うか人は・・・。

それでも盲導犬は、じっとエムさんの傍に座っております。

エムさん、冥王星の近くでワンちゃんと一緒に、今も歌っているのでしょうか。エムさん、思い出をありがとう。

土門拳 写真展『東京 1936-1967』

会場 写大ギャラリー

期間 3月9日~5月17日

本展では、戦争の気配が漂う戦前戦中の東京、そして終戦後の混乱から復興へと向かう東京まで、激動の時代に変わりゆく東京で逞しく生きる人々を見つめ続けた土門の作品を紹介いたします。(ホーム個展紹介文から抜粋)

チラシ- 1

傷痍軍人の写真があります。傷痍軍人を追ったドキュメント作品は有りましたかね。

見ていないような気がします。

街角や電車内で募金を募る、手や足の無い軍人さんを見るのは子供心に怖かったです。

ハーモニカやアコーデオンで奏でる軍歌が物悲しく、負けた国の兵隊はかくも冷たくあしらわれるのかと、子供心に思いました。

彼等は「勝って来るぞと勇ましく、ちかって故郷を出たからは・・・万歳、万歳」と送り出されたのです・・・・・。

またこの歌が、この歌を知らない世代の心にも流れていて、敗戦後の「金の卵」と言う東京の労働者不足を補う集団就職がありますが、東京一極集中の進軍ラッパになっていたと考えるのは、穿った見方でしょうか。

「東京へは、もう何度も行きましたねー、君の住む美し都ー」1974年、マイ・ペースが唄う『東京』です。

まぁこれは、昭和11年の「美し都 恋の都 夢の楽園よ 花の東京」と唄う『東京ラプソディ』にかけて作られた歌だと思います。上手いです。

 

 

広島国際アニメーションフェスティバル、作品受付締め切り迫る。

今年8月20日~24日に開かれる『広島国際アニメーションフェスティバル』の公募受付締切日が迫って来ました。出品、制作中の作家はお急ぎ下さい。

毎回、世界各国から応募があり、米国アカデミー賞にノミネートされておりますし、受賞して、レッド・カーペットを歩いた日本作家もおります。

授賞式の後、二次会が在るそうですが、ディカプリオさんがふんどし姿で『安来節』を踊るような、くだけた余興は無い二次会だそうです。

1

毎回、200作品の応募があります韓国のアニメ作家の皆さん。200作品も応募しているのに賞が取れないと嘆かないで下さい。欧米の作家はもっと応募して来ますよ。コロナにめげず応募して下さい。

南米はメキシコが注目されましたが、他の国のアニメ作家も宜しくお願いします。

支倉常長遣欧使節400周年記念個展で参り、講演をしましたキューバの国立『イカイック』のアニメ部門の皆さん。一番前の席で音楽家の女性とイチャイチャしていた貴方も、応募して下さいよ。

スタッフ一同、世界が驚く作品をお待ちしております。

上のポスターは、2016年に開催された時のポスターです。

桑原茂夫著『月あかり』第7号

井上さんの表紙絵が凄いですね。まるで藤田嗣治氏の『アッツ玉砕』のようです。

井上さんのアニメ作品を、メキシコ・ベラクルス州大で上映し、オノ・ヨーコさんの叫び声のようなサウンドに、皆さん大喝采でしたよ。

桑原1

今回、登場している和田誠さんの『殺人』も、評判が良かったです。

奥様の料理家、平野レミさんは、家でもテレビ出演している時と同じだと、パーティーで話された事を小耳に挟んでおります。

煙草の『ハイ・ライト』の箱が和田さんのデザインですね。当時の車内広告が、ロケットに乗り太陽の火で煙草の火を付けている絵なぞ、お洒落でした。

似顔絵も那須良輔さんや針すなおさんとは違った、上手さがありましたし、文体模写もお上手でした。『麻雀放浪記』の監督もされ、多才でした。

多才能力を持った人は、ある一定数、居ると思いますが、世の中は一つの道を究める才能は認めますが、多才な能力をあまり認めておりません。天才よりも人数が少ないからですかね。

ジェームス・ボンドなどは、車の運転は出来るし飛行機も操縦するし射撃も上手い。女性にもモテるから、あー、此処が世の男性から嫉妬されてしまうのですかね。

晩年、『週刊文春』の表紙絵を担当され、月に四枚の表紙絵を描かれておりました。ご冥福を祈り致します。

詳しくは桑原さんのホームで。

 

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