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2014-07

グレートブリテン及び北アイルランド連合王国へ②

セインズベリー日本芸術研究所のご招待で、英国へ参りました。

赤いポストは、絵ハガキにもありますから、嘗ての英国領や日本などの近代化を進める国が導入して、世界中で馴染のあるポスト君になったのでしょう。

ポスト-1

日本のポストは、赤い色が違います。朱色です。神社の鳥居や巫女の袴の色と同じです。
英国は二階建てのバスがこの色です。80年代に降り立ったヒースロー空港の入国審査カウンターの部屋まで、天井も床もこの赤色で、驚いたことがあります。
独特の赤ですね。バーミリオンで、植物系の赤です。
外国の絵の具に入っている色ですが、透明度が有り、使うのが難しい色ですから、使わない色として、記憶しております。

ホテル-2

宿泊先は、カートライト・ガーデンに面した、1807年に建てられたホテルです。
日本人に人気だそうですが、朝食でも日本人に逢いませんでしたね。

カフェ-3

このホテルを右に曲がると、スーパーなどが在り、その先にパブと呼んで宜しいのか、店があります。
産業革命の頃、農村部や季節労働者が都会へ集まり、労働者階級を形成しますが、この労働者階級の生活を探訪したルポルタージュがあります。その中にパブについての文章があり、彼らはここへ来て1日の疲れを取り、家路へと向かうと書かれてありましたが現在、昼間っから飲んでおりますし、女性が多いです。日本は酔っ払い天国だと言いますが、嫌々英国の呑み助も中々のものです。

英国の地ビールの種類は、半端無く多いです。何を頼んで良いのか、ライアン博士にお任せしました。

外の席で飲みますと、煙草が吸えます。禁煙のチャンスなのに煙草に火を付け、一本、二本と吸いますと、禁煙は日本へ帰ってからとの踏ん切りがつきました。

看板-4

『フィッシュ&チップス』料理は、『ゴールデン・ハイドン』ではないかと日本人は思いますが、ロンドン中で最も『フィッシュ&チップス』の美味しい店がホテルから数分の距離にありました。

英国はこの赤ですね。この赤はブロンド、栗毛色に合う色です。
私もこの赤色のセーターが欲しくて、60年後半にイブ・サン・ローランの店で男物を見つけ、買いました。嬉しかったですね。

Vネックのセーターですから、下に白いシャツを着ました。髪の毛が黒いのがちょっと重いですが、パンツに濃紺、黒を穿きますと、髪の毛とのつり合いがとれますよ。

フィシュ-5

『フィッシュ&チップス』は美味しかったです。魚をフライにするシンプルな料理が不味い訳がありませんし、タルタルソースで食べられますから、後味に油臭さは残りません。
日本人も鯵のフライや鮭、海老のフライ食べておりますから、御馴染の食感です。ご飯が欲しくなりますね。
写真の上部に写っているのは、イカのフライです。これも日本人は食べますから、美味しいです。

80年代にパリの凱旋門近くの、オリンピック選手が開いている店で食べたオイスターが美味しかったです。グリーン・パーク駅近くの『グリーンズ』のオイスター、ロブスター、カニ料理も食べて見たかったですね。

食べた後は又、ホテル近くの店に入ってビールを飲みました。どの店からも、サッカー中継を見る人々の歓声が聞こえてきました。
ライアン博士のアメリカチームも健闘しておりまして、東京でお逢いする時の表情より明るいです。

ビールの酔いに眠気が心地よいです。では、寝ますかね、お休みなさい。

グレートブリテン及び北アイルランド連合王国へ

セインズベリー日本芸術研究所のご招待で、グレートブリテン及び北アイルランド連合王国へ行って参りました。

イギリス旅行 002

前日、羽田国際空港で夜食のピザを買い、ホテルへチェック・インです。

煙草 -3

私事ですが、旅行しますと色々、面倒な事が起ります。
武士の魂である腰の大小は、出国時に当然、取り上げられますし、手入れの行き届いたチョンマゲも、断髪にしろと迫られ、ザンギリ頭で出国せねばならず、特に昨今は、禁煙というベルリンの壁よりも高く、万里の長城よりも長い壁に阻まれて、長ギセルなど愛用の喫煙道具を隅田川に打ち捨てて、参らねばならないことです。
サッカーのサムライジャパン、このようなハンディーを背負い、良く戦ったと思います。

朝食-4

翌日、ルームサービスで朝食を頼み、身支度をし、出発です。
ルームサービスにするのは、シャワーを浴びたり、髭を剃ったり、ネクタイを締めながらコーヒーを飲んだり、パンを食べる為です。
レストランで食事をしても良いのですが、身支度しながらの食事が出来ません。また、寝坊助ですから、目覚まし代わりにルームサービスを頼むわけです。

機内食-4-2

搭乗しますとすぐに、歓迎のドリンクが出て参りまして、またすぐ、食事の注文をとりに参ります。
和食を注文しますと、刺身、煮物に焼き魚に味噌汁、お香の物が出て参りました。刺身も暫くたって食べますと、戻し具合も良く、美味しく食べられました。

思えば六十年代、渡航自由化を向かえて、新宿西口の某百貨店で国際線の機内食を食べさすレストランがオープン、早速、食べに参りましたが、あの頃から比べると味、器、格段の思いが致します。

足-5

飛行機は便利だと思いますが、やはり地球は大きく広う御座います。10数時間を超えるフライトを考えますと、会社に出勤し、そのまま昼食へ出ることも夜食も取らず、座り続けて残業をしているブラック企業のサラリーマンのような状態です。
食事をし、横になってドリンクを飲みながら映画、ゲームに興じて、飽きた頃が時間にして7時間、これがベストな飛行機での旅ではないかと思っております。
このフライト時間を超えるのであれば、以前のような飲み物攻勢がありますが、昨今の燃料費のかさみなどを考えますと、航空会社も頭の痛いところでせう。

これから月へ、火星へと、仕事、物見遊山のフライト旅行は長くなります。『2001年宇宙の旅』でも『エイリアン』の貨物船でも、カプセルに入って寝ておりましたが、本社からの出向で木星へと旅立つサラリーマンにとって、これが家族との一生の別れにならなければ良いのですが・・・。

機内食-6

隣の大柄のイケメン英国男性がステーキを食べておりましたので、到着、2時間前の食事は、洋食を注文致しました。
何故かナイフとフォークの使い方を見ておりますと、洋食が食べたくなりますね。
見事、完食で御座います。

アイスコーヒー-7

最後に、ANAさんにお礼を言わなければならないサプライズが御座いました。
私、何を隠そう、と言っても隠すものなど何もありませんが、世界アイス・コーヒー普及協会の名誉会長兼会員で御座います。現在、会員は私、一人です。
設立目的は、欧米にアイス・コーヒーを普及させるべく活動を続けております。

それで今回も、アイス・コーヒーをお頼みした処、客室乗務員のお美しい方が、そのお美しい顔を少し曇らせはしたものの、私の望みを叶えるべく、機内に在る食材を集め、何と魔法のようにアイス・コーヒーを作り上げたのです。ビビディ・バビディ・ブゥーです。

「私、愛を込めて御作り致しました」の言葉を添えてアイス・コーヒーを差し出された時には、あーた、もう月へ飛ぶ気持ちざーんすです。と言っても機上での事ですから、もう飛んでいますけれどもね。
ANA欧州室長殿、全てのANAにお勤めの皆様、客へのお・も・て・な・し、アッパレでした。感激しました。SACF協会として、お礼を述べさせて頂きます。

さて、出迎えのライアン博士と合流、博士の私への第一声が「お腹、空いてませんか?何か、食べますか」でした。今、食べたばかりなのにー、嗚呼・・・・。

                                     続く

月刊『東京人』にエッセイ寄稿。

ケンブリッジから東京へ戻って参りました。

グレートブリテン及び北アイルランド連合王国へ行く前にアップ出来なかったニュースを上げます。

『ガロ』と『COM』、両漫画雑誌の特集です。

手塚治虫さんが『ガロ』の後を追い『COM』を発行、某大手新聞の社会面のトップに、「あなたはガロ派かCOM派か」との見出し記事が載りました。

表紙-1

東映動画の動画課のほゞ全員が、面白い漫画雑誌だと、『ガロ』を購入していた事を記憶しております。東映動画には藝大卒の方々が多く、先ごろ、アメリカの美術館で回顧展が開かれ話題になりました『ハイレッドセンター』の一人、高松次郎もまた、動画課に勤務していた時期が御座いますし、関東の美術大学のほゞ全校の卒業生が働いておりました。

その雑誌に私が投稿、掲載、翌月に週刊誌のグラビアに取り上げられ、つげ義春、佐々木マキ等とテレビ、雑誌、学園祭などに引っ張り出されるとは思ってもおりませんでしたし、全共闘からポスターを依頼されたり、大阪万博、大阪空港のトヨタの看板に起用されるなど、そんな仕事を数年後にするとは、考えてもみませんでした。

ページ-2

『ガロ』系の作家は、他の娯楽系漫画雑誌で活躍されていた作家とは、メディアの使い方、使われ方が違いますね。
私ですと画家へ、杉浦日向子だとNHKのレギュラー・コメンテーター。フランスの文学賞を受賞し、作家と役者の内田春菊。糸井重里はコピー・ライター、南伸坊ですと絵も文もたつコメンテーターですし、蛭子能収はタレントへ。みうらじゅんは仏像ブームを起こして、プロデューサーとなり、漫画の領域以外の仕事をしている場合が多いです。

この雑誌では、東映動画に居た一アニメーターの視点から、当時のメディアの交代劇などを書いております。『赤色エレジー』の主人公のような契約社員の問題など、メディアが取り上げるのは20年ほどの後になりますが、もうこの時代に始まっております。
将来、六十年代から七十年代への時代の変わり目の、労働現場の様子を知りたければ、あるいは日本、世界を考える時の教養の一助になれば、作者としてこれほどの喜びはありません。

人気の特集だそうです。手に取りたい方は下記アドレスへ。

東京人2014年7月号

『東京人』を発行しております都市出版の粕谷さんがお亡くなりになりました。

後年、東北への視察旅行、出版記念パーティーにお招き頂き、感謝しております。

深沢さんの著作問題など、大変な時期の中央公論を支えた方だと後日、知りました。

葬儀の日、ぎっくり腰になり、お別れの言葉を伝えられず残念です。

東北旅行での、イカ焼きと日本酒の酒宴、私の中では印象深い飲み会となっております。

ご冥福をお祈り致します。

 

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  • 日本アニメーション協会
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  • 菓匠三全
    林 静一が包装等をデザインする、仙台銘菓『萩の月』の三全のホームページ。
  • 青林工藝舎 アックス
    林 静一が南伸房、水木しげるらと審査員を務める 青林工藝舎「ax(アックス)」のページ。
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