帯に「新元号 令和の出典 万葉集」とあり、新天皇の即位につき急きょ復刻発売です。
女性誌の挿絵を担当していた頃、万葉集に源氏物語、伊勢物語と、古典を描く様になりました。
フランスではアングル等が古典派画家として有名ですが、古典派の画家は、歴史の教養を必要とされる、ちょっと特殊な画家で、他の画家から一目置かれる存在です。
それは、この画家、どの時代を描いているのか、あの時代だと、着物の模様が変だな等々、描かれた作品が何時代か、絵を見て判らないと古典派画家として失格ですから、時代考証と言う知識を持ち合わせていないと古典派画家と呼ばれないことになります。古典派で無くとも具象画には付きまとう鑑賞目の一つです。
これは絵に限らず時代小説も舞台の時代劇も映画も同じです。これが中々大変で、映画、演劇監督などは美術部の仕事と割り切って任せてしまう人も居りますが、加藤泰監督が話された新作の構想などは、役者を選ぶ段階からその時代への加藤さんの時代解釈が入っておりますから、制作部任せとはいきません。
残念ながらこの作品は映画として完成を見る事は無く、加藤監督はあの世へと旅立たれました。この作品、観たかったです。邦画時代劇の異色作となった事でせう。
私も万葉を絵画化するにあたり、その時代への思いを込めております。身長を伸ばすことやピーコック革命を体験した世代として、男性衣装に時代への思いを込めました。
そのような事を考えて観て頂ければ、もうすぐ産まれる令和生まれとして幸せです。
まだ買えませんね。5月13日、入荷となっております。
手に取りたい方はここへ行かれて下さい。
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