- 2017-10-02 (月) 16:15
- お知らせ
今年、6月に亡くなりました長谷川元吉さんの遺作展が、銀座『ギャラリー・ムサシ』で開かれました。
皆さん、元吉さんの事を「ゲンちゃん」と親しみを込めて呼んでおり、私なども評論家、上野氏に紹介され、年上ですが「ゲンちゃん」と、ちゃん付で呼んでおりました。
ゲンちゃんが描いた自画像ですが、お父様の小説家、長谷川四郎さんに似ております。親子ですから当然ですか。また叔父さんは、猫の絵で有名な長谷川潾二郎さんですから、絵心は遺伝ですね。
以前、NHKの『長谷川四兄弟』という番組で、ゲンちゃんのお父さん一族が特集されたことがあります。兄弟皆、日本の文化に名を遺す仕事をしており、兄弟それぞれ別の道を歩かれております。興味がありましたらネットで四兄弟を検索して下さい。あー知ってるという人たちばかりです。
私達ですとペン・ネーム『林不忘』の名で書いた時代劇『丹下左膳』が有名で、手塚治虫氏も漫画にしておりますが、実はゲンちゃんこの伯父さんがよく見る映画『丹下左膳』の原作者だと知らなかったのですね。
父の兄弟に金持ちの銀行家が居る位の認識で、見かねた出版社の方が『丹下左膳』は貴方の伯父さんが書いたのだと教えたそうです。
林不忘の本名は長谷川海太郎ですが、この方、林不忘の他に二つペン・ネームがあります。その一つ『牧逸馬』の名で書いた古書マニアであれば知らない人が居ない奇書があります。上下二巻の一冊は、写真集になっていて、これが心臓の弱い人は見ない方が良い写真集です。
ゲンちゃん達と造形大学の夏期講座で、学生達とこの本を広げて食堂でカレー・ライスを食べたことがあります。気持ち悪くなってカレーが食べられなくなった学生は居ませんでした。
ゲンちゃんは映画のカメラマンです。私達の年代だと吉田喜重監督の『戒厳令』や『告白的女優論』などですが、若い方だと馬場康夫監督の『私をスキーに連れてって』や石井竜也監督の『河童』などを思い出されるでしょう。
遺作展会場に桑原氏と上野氏、それに我田さんが居られました。
我田さんに送って頂いた手作りジャム、とても美味しかったです。有難う御座います。
現在、発売中の『ブルータス』にゲンちゃんの追悼記事が載っております。
若い頃の写真ですが、ゲンちゃんは若者が似合います。
個展の詳細は『ムサシ画廊』まで。
つづく