暑いですね。蝉がいっせいに鳴き出しました。
「山寺や石にしみつく蝉の声」芭蕉が読んだ句ですが、山形美術館で個展を開いた時に、遠くからこの山寺を眺めました。
切り立った岩場に長い階段が見え、芭蕉はこの階段を上ったのかと思うと、昔の人の健脚ぶりには驚かされますし、この後、芭蕉は、山形を出て旅を続けたと言いますから、またまたの驚きです。
この位の距離を歩くのは、当時の人達にはそれほどの長さでは無いのかもしれません。
80年代にNHKの特別番組でながすビデオに出演した時の事、福岡に住む老婦人に場所への案内を頼みましたところ、歩くのが速い。
私は小走り状態で老婦人に話を伺う事になり、ついて行くのがやっとでしたが、これを収録するカメラマンに音声さんがもっと大変で、目的地に着いた時にはスタッフ一同その場に倒れてしまい、おばあさんを制止して、撮り直す指示を何故、出さなかったのかと、大目玉をくらいました。
あの年代までは、老いても速足で健脚であると記憶した事を覚えております。
コマーシャル画像へ戻りますが、この手法のアニメーションは八十年代のCM『ジャックス・カード』で披露いたしました。
その時の女性は現代洋装で、髪は「朝シャン」で、前髪は巻いてありました。
わが家も娘たちが当時、「朝シャン」をしたいと言うので、シャワー付きの洗面台に変えたことを思い出しました。現在もシャワー付きの洗面台は在りますが、使う主は居りません。
まわる、まわる―よ、時代はまわる―と言いますが、「朝シャン」ブームはまた、来るのでしょうか。
誰も使わなくなった洗面台が、寂しそうです。
菓匠三全さんのホームです。
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