- 2021-11-27 (土) 15:26
- お知らせ
肩書が酒場詩人となっております吉田類さんの、解説付きです。
路地裏は七十年代にも、作家の中上健次さんが残せとエッセイに書いておりました。
路地は良いですね。朝顔など鉢植えにして、家の前で育てています。
70年代初頭の『ガロ』忘年会を記憶しているのは、つげ義春さんとつげ忠男さん、それに私だけでは無いですか。
忠男さん、あの年は凄かったと言っても、忠男さんは初めての『ガロ』忘年会ではなかったですか。
新宿、伊勢丹の近くの小料理屋で、遅れて駆けつけた私が小料理屋の引き戸を開けると、若者の背中が塞ぎ、店の中が見えません。
その一階の椅子席の間に立つ若者をかき分けて前に進み、厨房から出て来た仲居さんに『ガロ』の忘年会会場を聞きますと、二階の手前、左角の座敷だと教えてくれました。靴を脱いで上がろうと前を見ると、階段脇と厨房の廊下に二列、若者が座って居りました。
忘年会シーズンですから、どこの大学のサークルか知らないが、座敷が空くまで待っているのだろうと思い、二階へ行こうと階段を見ますと、階段にも一段に二人づつ座り、二階迄続いておりました。
随分、人気のあるサークルだな思い二階へ上がると、左右に二部屋の座敷のある廊下にも又、若者が二列になって座っているのです。
おいおいと思いながら、手前の『ガロ』の座敷を見ると、襖が取り払われ、座敷を囲むように、此処でもまた二列に若者が座り、長井さん始め編集部の方々が料理やお酒を飲むのを見ておりました。
インターネットの無い時代、誰がこんなに若者を集めたのか、長井さん、何これと訊ねながら席に着く私でした。長井さんは酒を飲みながら、笑うばかりです。
あんなに多くの若者に囲まれながら開いた忘年会をこの後、体験したことはありません。
忠男さん、「忠男! 帰れー」、覚えておりますね。二人で笑いました。
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