- 2021-10-26 (火) 12:27
- お知らせ
期間 10月30日~12月18日
久しぶりに個展の案内を頂きました。
以前、テレビで拝見した制作風景は、支持体に何枚も紙を重ねて塗る作品でした。
重なる程に作品に深みが出て、作品の古層を背負って立つ現在の大竹さんが見えたようでした。
今回の作品も重ねた色が自然に近く、書家であり抽象画家でもあった篠田桃紅さんの言葉を思い出します。
「多くの芸術家は、自然を写し取ることに熱中するが、私の作品は自然そのものである」と、その様な事を言っておられたように思いますが、大竹さんの作品も自然に近づいてきたように思われます。
吉増剛造さんも制作を続けておられるのですね。制作するエネルギーを頂けます。
白土三平さんが亡くなられました。
白土さんは長井さんと組み、月刊漫画雑誌『ガロ』を出し、『カムイ伝』を連載しておりました。
東映でも面白い漫画雑誌があると評判になり、動画課でブームになりました。
それから東映もテレビ短編がブームになり、大量の契約者を入れ、月四本の短編アニメが制作できるよう盤石な体制を作りました。
契約者を二班に分け、一班を先輩である平川氏が持ち、もう一班を私が持つことになり、その私の班に白土さんのプロダクション『赤目プロ』の方が居りました。
「あー、白土さんも毎月、『ガロ』に連載するだけでは苦しく、テレビアニメの制作も請け負わなければならないのだろうか」と思っておりましたが、それからうん年後、私が『ガロ』に書く漫画家となっておりました。
そこで長井さんに、白土さんが原稿料無しで月、200枚の作品を書いている事を話され、驚いたのを覚えております。
白土さんの功績の一つに、読者の方々に作品を呼びかけた『一般公募制』があります。当時の漫画雑誌業界では異例のことではなかったのでしょうか。私の作品も取りあげて頂きました。有難う御座います。
白土さん、安らかにお眠り下さい。
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- 大竹伸朗個展『残景』 from Seiichi Hayashi Art world