- 2021-03-06 (土) 17:25
- お知らせ
支倉常長さん一行、遣欧使節団がキューバ、メキシコの地に降り立って400年にあたる7年前にキューバ・メキシコで個展を開き、帰国後、ご報告を兼ねてブログを更新して参りましたが、他の要件が多くなり途中で更新が出来なくなりました。
現在、お知らせの多くがコロナ流行に合わせて自粛となり、ブログにてお知らせする事が出来なくなりましたので、その間に支倉使節団400年記念、キューバ日本大使館主催の『トラディショナル・モダンな日本美術 林静一の美人画展』の続きを掲載することにしました。
ショート・フィルムの上映と講演が始まりました。
ベラクルスからアニメ・ファンが、バスで2時間をかけて聴講に見えられております。
井上洋介氏の作品にオノ・ヨーコさんが音を乗せておりますが、オノさんの歌は叫びに近いですから、会場に見えられた皆さんは驚きもしましたが、賛辞の拍手も惜しみませんでした。
私の作品『光あれ』に描かれている死神は、メキシコの画家、ギェルモ・メサが1954年に発表した『玉蜀黍畑』の干ばつに苦しむ農民からインスピレーションを受けて描いた死神です。
この作品を見たのは1955年9月に東京国立博物館で開催された『メキシコ展』で、当時10歳の私は母と見に行き、博物館内の黴臭い匂いに閉口しながらもダビッド・アルファロ・シケイロスの『戦争の犠牲者』やフリダ・カロの『テウアナの自画像』、ホセ・クレメンテ・オロスコの『十字架を壊すキリスト』等、カタログの表紙を飾ったディエゴ・リベラの花売り娘を描いた作品も含め、10歳の少年の脳裏に焼き付き、それから、うん10年後に作品を描き続ける脳裏に蘇ったのです。
また、『光あれ』は誰しも解きえない問題に直面した時に全能の神を想像し、その全能な力で解決を願う「神との契約」を結ぼうとする物語であります。
この契約は『イソップ寓話』に多く登場する神との契約の物語であり、1969年に世界的ベストセラーになったキューブラー=ロスの末期ガン患者へのインタビュー集『死ぬ瞬間』にも登場してくるから、20世紀に神は死んだとなっておりますが、実は死んでは居ないのです。
病に倒れた同級生を助け、死神に連れて行かれないよう不可能に近い契約を少年は神としてしまい、その契約が失敗することで少女は息絶え、少年は少女に誤りを詫びる叫び声を上げてしまうのです。
契約を結ぶほどの全能な神は存在するのか・・・。人々は今も不完全な世界で天を仰ぎ跪き、頭を垂れて祈ることを止めておりません。
では・・・。
「メキシカン・ロック GOGO GOGO」
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