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『貸本マンガ史研究―06』発売。

梶井 純さんの特集となっております。

梶井さんとは親しく話した事は無く、どの様な方だったのか読んでみたいと思います。

チラシ-1

表紙に前谷惟光さんの『ロボット三等兵』傑作集の絵が載っております。

『ロボット三等兵』は中学の頃、クラスメイトが『貸本屋』に面白い漫画が多くあると、私を連れて行ゆき、最初で最後の貸本体験で借りた本です。

随分と図太い線を引く漫画家だと、手に取りじっくり眺めたいと借りたのを覚えています。

この様な線を引く人とはどんな人なのか、中学の頃の印象を頼りに、ちばてつやさんや古谷三敏さんなどに訊ねたが、前谷さんの容貌が浮かび上がることはなかった。

ネットで検索すると、前谷氏は大正生まれで、私の母の一年前に生まれていることに親近感を覚え、父親は『子供の科学』を主宰する原田三夫氏と続くから、それは私が子供の頃に購読していた雑誌であるから、ビックリしてしまった。

その後、日本画家の尾竹国観に師事とあり、画家の道を志していたのかと、またまたビックリしてしまい、あのような線が日本画家から生まれるのだと感心した。線から受けるイメージで、王道では無いバンカラな人を想像したが、お坊ちゃまに近い人ですね。

1939年に召集、中国、ビルマ戦線を生きぬき、復員後は東宝へ就職するも、あのアメリカ軍も出動した戦後最大の労働争議に退社とあり、その後、出版界で活躍とある。

前谷氏と似ている線を引く作家に水木しげる氏、その後、つげ忠男氏が居て、中学の頃に前谷氏から読み取った図太い線は、今も私の中で生き続け、世界史での敗戦を生きぬいた日本人の断念の思いが表れたものではないかと思っている。

高野氏等、梶井氏も含めて、若き書き手がてがけた『漫画主義』のコピーに、「戦後20年 泣かずに来たが、漫画にうずめたこの願い 主義を背負って 今 泣いた」とあります。

思考は死ぬまで止まりません。『貸本マンガ史研究』続ける事を願っております。

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