- 2020-04-14 (火) 12:40
- お知らせ
私は若い頃から、年上の話を聞くのが好きで、東映動画時代、私の席の後ろに座っていらした熊川さんは、撮影機が手回しの頃から映画界にいらした方で、晴れた日の撮影は手回しを早くし、曇りの日の撮影はゆっくりと回すなどと、話されたことを興味深く聞いておりました。
おじさんが面白いのは、人生体験が若者より長く豊富で、その体験が昆布ダシのように滲み出ているところです。これがおじさんの旨味です。
また、拘りが背骨のような芯としてあり、弱火でコトコト煮て食べないと不味くもあり、現在の若者は年齢別の学制の中で育ち、家に帰っても少子化で兄弟が少ない家庭が多く、おじさんの芯のような拘りを咀嚼出来なくなっているようにも思え、年上に感情的になる若者もおります。
でもやはり、長く生きた人の話は聞いておいた方が、同年代と話していても少し大人の話ができるようになりますし、同僚の一歩も二歩も先を行くことが出来ます。
あとがきに「普段から、くだらない、小さな出来事が気になる性格で、いつか、こんなどうでもいい漫画を描きたかったんです」とあります。
どうして、どうして、些細な気付きが物語の芽には潜んでおりますよ。
手に取りたい方はここへ。
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