Home > Archives > 2012-08

2012-08

清水良典著『あらゆる小説は模倣である』(幻冬舎刊)発売

小説に限らず、人間の行為は真似から始まります。

写実絵画の褒め言葉に、本物みたいと言うのがありますから、本物のようにそっくりとは、抗しがたい人間の欲望なのではないかと思います。

ただ、パクリと判るレベルの小説は、二流だと作者の清水さんは申しております。
まぁ、絵もそうですね。誰々に似ていると言われては、作品のレベルが低いのでしょう。
真似から独自のスタイルを築いてゆかなければなりません。
どうやっても先達に似てしまうとは、先達が押さえた世界が広く、深いのです。それが大物と呼ばれる所以です。

さて、この著書のどこに私が出てくるのかと言いますと、絵からお話をつくる例題として「赤色エレジー」の一コマが使われておるのです。

私ですとこのコマから、このような物語を紡ぎだします。
一郎が怒りを抑えて幸子に問いかけます。
「昨夜は何処に居たんだ。また、林静一に逢っていたんだろぅ。あいつモテるからなー。知っているのかあいつ、この漫画を描きながら大阪万博の仕事やトヨタの広告、日本テレビのゴールデン番組のディレクターをしているのだぜ。あいつ、俺達を別れさせようとしているんだ。そんな奴と逢うなんて。」
幸子は一郎の言葉をさえぎるように振り向き、愛している一郎を憐れむような目で見つめながら「一郎―、そんな言い方止めて。林先生とはそんな関係じゃないわ。先生は良い人よ。私達の事、親身になって心配しているのよ。」
「そりゃーそうだろう。作者だもん。売れるようにしたいから、必死だぜ。」

まぁ、こんな調子で、物語は始まります。
手に取りたい方はココです。

 

『林静一現代美人画展』開催

会期 9月1日~18日

会場 GALLERY BIBLIO

 

トーハンの十松さんが、日本家屋を改造し画廊を開きます。

そのオープン記念として、『書店経営』のデジタル表紙絵をプリントして公開致します。

また9月20日から10月9日までは、童画を展示致します。
新しい画廊のオープンです。皆さんで育ててやって下さい。

『宮澤賢治☆漫画館』重版です。

宮澤賢治作品の漫画化単行本④と⑤の重版本、発売。

四巻に『オツベルと象』、五巻に『かえるのゴムぐつ』を漫画化しております。

宮澤作品は東映動画時代、長編アニメ化が試みられましたが、見送られたことが有ります。

東映動画を辞めて何十年ぶりかの、宮澤作品との対面でした。

第四巻はここ

第五巻はここ

 

三全『萩の月』新作コマーシャル放映中

八十年代初頭から放映が始まりました三全さんのコマーシャル。

新作コマーシャル夏編が放映されております。

もう、何十作品になるのでしょうか。
露草の前にしゃがみ、夏空を見上げておる女性です。
日々の疲れを解きほぐす一助となれば幸いです。
菓匠三全のホームです。

平和祈念フォーラム in 新宿にて、記念品贈呈

8月11日の新宿住友ホールで行われる、絵本朗読とディスカッションへ参加される皆様に、記念品として私が描きました母子像入りの「一筆箋」をお配り致します。

また48階にて、特別展として、子供時代の引き揚げの記憶を作品にして展示してあります。

「敵兵が来たら、抱きついて、このピンを抜いて自爆するんだぞ」と、手榴弾のあつかい方を父から教わる「ハート・カクテル」古谷さんの、子供の頃の姿が哀しくも可愛い。

是非、ご覧になって下さい。

http://www.heiwakinen.jp/event_outsite/20120709-468.html

 

 

 

隔月刊漫画誌『アックス』新人賞発表

遅れてのアップですが、「第14回アックスマンガ新人賞選考結果発表」です。

西村篤の「日陰に暖かい」は、「オランダの貴婦人」もので、映画でも同じ主題の作品は作られていて、今は製造中止になったオランダの貴婦人を、青年がゴミ焼却場を捜し歩くのがあるが、日本の日常でのオランダの貴婦人ものは、淡々とした中で迫るリアル感が命であろう。

しかし、選考会で私が語っているように、映像化した方が数段、面白くなる作品に違いないし、更に初音ミクなども、映像よりも立体虚像が舞台の上で歌ったり、踊ったりした方がファンはもっと喜ぶに違いない。

この様な状況でマンガ表現を考えると、小説ほどの抽象性は無く、映像作品の迫力に劣るという板挟みの状況にあることは間違い無いし、拙著『Ph 4.5 グッピーは死なない』の中で述べている劇画の先端の問題と、ほぼ変わっていない状況が続いている。

ナノ・レベルの時代に劇画のコマ絵は、リアリズムの歩を先に進める事が出来ないでいる。

 

1930年代に、絶対芸術運動が産声を上げるが、小説も漫画もその先に在るコンピューター映像を完成品として、そのシナリオの位置に甘んじなくてはならない状況では、また、この、絶対、小説でなければ表現できないものや、絶対、漫画でしか表現出来ないものへの探求が生まれてくるかもしれない。

 

本の購入はこちら

 

『びっくりどんぐり奇想天外 杉浦茂のとと?展』

会期 8月1日~9月2日

会場 江東区森下文化センター

京都で開かれました杉浦個展、東京で開催です。

師匠の田河水泡が現代美術家ですから、その血を引いて今も、漫画の前衛に輝いております。

子供時代に彼の作品に魅了されたアーティストは多く、150名のアーティストがトリビュート作品を捧げております。私のも在りますよ。

詳しくは文化センターで。

 

Home > Archives > 2012-08

Search
関連リンク
  • ロッテ 小梅だより
    ロッテのキャンディ『小梅ちゃん』のファンページ。『小梅ちゃん』のプロフィールやパッケージに展開されている『小梅恋物語』などを詳細に掲載しています。
  • 名匠雑貨店
    叙情画の匠が贈る雑貨店
  • 日本アニメーション協会
    林静一が所属する日本アニメーション協会のホームページ。
  • 林静一オフィシャルサイト
    オフィシャルサイトはこちら。
  • 菓匠三全
    林 静一が包装等をデザインする、仙台銘菓『萩の月』の三全のホームページ。
  • 青林工藝舎 アックス
    林 静一が南伸房、水木しげるらと審査員を務める 青林工藝舎「ax(アックス)」のページ。
Feeds
Meta

Return to page top