遅れてのアップですが、「第14回アックスマンガ新人賞選考結果発表」です。
西村篤の「日陰に暖かい」は、「オランダの貴婦人」もので、映画でも同じ主題の作品は作られていて、今は製造中止になったオランダの貴婦人を、青年がゴミ焼却場を捜し歩くのがあるが、日本の日常でのオランダの貴婦人ものは、淡々とした中で迫るリアル感が命であろう。
しかし、選考会で私が語っているように、映像化した方が数段、面白くなる作品に違いないし、更に初音ミクなども、映像よりも立体虚像が舞台の上で歌ったり、踊ったりした方がファンはもっと喜ぶに違いない。
この様な状況でマンガ表現を考えると、小説ほどの抽象性は無く、映像作品の迫力に劣るという板挟みの状況にあることは間違い無いし、拙著『Ph 4.5 グッピーは死なない』の中で述べている劇画の先端の問題と、ほぼ変わっていない状況が続いている。
ナノ・レベルの時代に劇画のコマ絵は、リアリズムの歩を先に進める事が出来ないでいる。
1930年代に、絶対芸術運動が産声を上げるが、小説も漫画もその先に在るコンピューター映像を完成品として、そのシナリオの位置に甘んじなくてはならない状況では、また、この、絶対、小説でなければ表現できないものや、絶対、漫画でしか表現出来ないものへの探求が生まれてくるかもしれない。
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