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総特集 寺山修司

寺山さんの表現活動は多岐に渡ります。それをまとめるのは、大変でしょう。

寺山さんとの出会いは、漫画雑誌『ガロ』が異色の漫画誌と若者達に注目を集め始めた頃、私はまだ、東映動画のアニメーターでしたが、200頁の白土さんの『カムイ伝』や水木さんの苦みの入った笑いの人生訓漫画が、私達、アニメーターの心を掴み、100名近く居た動画課の全員が『ガロ』発売日には、課長が皮肉交じりに「今日は全員、熱心に仕事に励んでいると思ったら、ガロを読んでいたのか」と言うほど熱心な読者になっておりました。

本- 1

その漫画雑誌に私が、数年後に漫画を描く様になるとは思ってもおりませんでしたが、後日、週刊朝日のグラビアに若手作家、佐々木マキ氏にふじ沢光利氏(ふじ沢氏の名前の表記が判りません。)に私の三人が取り上げられ、その冒頭記事に「マンガブームである。(中略)若い読者、とくに大学生の熱狂的な支持を受けているマンガの一派があるのをご存知か。」と書かれ、取材の帰りに記者が「ブームになります。」と自信のある言葉を投げかけて来た。

やれやれ、数年前に東映でテレビアニメブームに巻き込まれ、ボロボロの体になっている上に、私も取締役になっている会社が来年から一時間のテレビアニメの調印をテレビ局と済ませ、一話目の制作に入っているのにまたブームとは、これは退社した東映のアニメブームの比では無い。

神様も気まぐれなサイコロを振るのがお好きだと溜息をつく間もなく、NHKや早稲田の学園祭やら対談と依頼が舞い込んだ。その中に寺山氏からの仕事依頼もあった。 映画『書を捨てよ町へ出よう』の美術、それから装画など、お付き合いは長くなった。

47歳で寺山さんは亡くなっている。

人生100年と言われる現在、ゆっくりと成熟してゆく表現を楽しむ私にとって、あまりにも早い死に思えるのであり、80歳の寺山さんの戯曲や映像作品を見てみたかったのである。

寺山さんがヨーロッパ旅行から持ち帰った実験フィルムが在る。詩人、ジャン・コクトーが制作した愛人関係にあった俳優・ジャン・マレーのヌード映像だが、この作品に歳を経た寺山さんの作品を重ね、想像してみたい。

「狭い日本、そんなに急いで何処へ行く」70年代、総中流社会に流れたコマーシャルのコピーである。 本を手に取りたい方はここ

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