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キューバ・メキシコ交流400年記念個展開催⑳

支倉常長さん一行、遣欧使節団がキューバ、メキシコの地に降り立って昨年は400年にあたります。それを記念してキューバ・メキシコで個展を開きました。
『トラディショナル・モダンな日本美術 林静一の美人画展』です。

タイトル-1

今日は、ICAIC(映画産業省)のアニメーション・スタジオでの講演です。
ハバナ・バスツァーもICAICの前を通りますから、注意してご覧下さい。

イカイック-2

スタジオに入りますと、制作室へ案内されました。
アニメーターやトレス、彩色の人が作業をする動画机です。
日本は長方形ですが、キューバは円形に切り取られ、乳白色の合成樹脂アクリルガラスがはめ込まれています。
ディズニースタジオは机が円形になっていて、アクリルの部分が長方形だったと思います。
このアクリルの下から蛍光灯をあてて、何枚も重なった動画を確認しながら描いてゆきます。

毎日、この机で作業をしますから、一日、蛍光灯を見ている事になり、蛍光灯がついた明るい部屋へ入りますと、悲しい事も無いのに涙が溢れ出て来ます。職業病です。現在のトレース台は、光源にLEDが使われております。どうなのでしょうか。

動画机-3

また、作画作業が平面となっており、日本と同じく上から書く様になっております。
ディズニースタジオですと立てた作画作業になりますから、キューバの動画机は和洋折衷と言う事になります。
イーゼルでキャンバスを立てて描く洋画と、床に寝かせて描く日本画の違いと同じです。しかし日本画でも、平山さんなど、立てかけて描いている方もおります。

アニメーター4

動画机の前に動画用紙を置く棚やスケジュール表などを貼るボックス型の仕切りが日本には在るのですが、見あたりません。脇にカット、動画用紙を置く箱が見えるだけです。作画中、気が散りませんかね。

故森やすじさんなどは、後ろに立って覗くだけでも、「見ないで~」と動画用紙の上に上半身を乗せ、まるで野外へ写生に出た小学生の様な行動をとります。奥さんも子供も居りますが、描画に専念できないのでしょう。

正木美術評論家、ICAICの歴史に付いてインタビューをしたそうですが、是非、独創的な動画机についても聞き出して下さい。もしかすると、交流のある旧ヨーロッパ社会主義国の影響を受けているのかもしれません。

動画机で作業をしておりますが、何の作業か忘れてしまいましたが、女性の方の露出度が、さすがキューバと言う感じです。

作業-5

今はデジタルの時代ですから、動画チェックを受けると動画は、デジタル化され彩色されます。
デジタル化と言うと聞こえは良いのですが、セル・アニメのデジタル化は大変な作業です。
フィルムにしてからデジタル化の方が早いのではないかと思いますが、そこは経営者側の思惑があります。

コンピューター元年、70年代の海外映画祭へ行きますと、アニメ制作のコンピューター機材が売り出されていて、あなたが寝ている間もコンピューターは休まず、あなたの会社に利益をもたらすと書かれてありました。

色付け-6

アニメ映画製作の合理化の歴史を考えますと、初めに動画以降の工程が合理化対象であったと思います。トレス、彩色、特殊効果等、東映動画には動画部門と同数の社員が居ましたから、ここの社員を減らすことが、製作費の削減へと繋がります。
このアニメ制作の合理化の動きは、アメリカの方が早く、より徹底していたと思います。

その後、アニメーターも、拙著『赤色エレジー』の主人公の様に、出来高払いの契約社員が多くなります。今や、多くの企業がこの方向へ動いております。

メキシコのテレビ・キャスターに、「日本のアニメは、どうして世界に広まったのでしょう」と質問され、「製作費が安いからです」と身も蓋も無い発言をしましたが、現実を見ても、テレビ・アニメ作品の製作費は、60年代から、そう上がって無いのではないでしょうか。
各国のテレビ局が買いやすい値段で、原作が日本の大衆にもまれ、面白い娯楽に仕上がっているからでせう。的を射た答えでは無いですが、当らずとも遠からずといった意見であると思います。

立体キャラクターは、別の部署で管理されていて、アニメーターが勝手にそのキャラクターを使う事は出来ないそうです。ディズニーのピクサーなどは、どの様にキャラクターを管理しているのでしょうか。

編集-7

動画の色付けが終わると最終チェックを受けて、作業は終わるのですが、日本の作業の流れについて質問されましたから、どうやら日本の制作現場とは違う流れになっているようです。作品全体を統括する制作、進行部が無く、監督が全ての工程に目を通しているようです。キューバの監督業、大変です。

私-8

でも作業場に入るのは久しぶりですから、懐かしく東映動画時代を思い出しました。

NHK番組『視点・論点』 『『伝統の美人画』中南米を行く』です。

ノーリッジで行いましたトークイベントの英訳が、米国のThe Comics Journalに載っております。

ハバナ個展の記事です。

Habana(ハバナ歴史事務所)の’Habana Patrimonio’の記事です。

Cuba Contemporánea の記事です。

Habana Times の記事です。

Radio Musical Nacional,の記事です。

Radio Rebeldeの記事です。

キューバの日系の方々のサイト、CUBANO NIKKEI の記事です。

Cuba Cooperation France の記事です。講演の様子ですが私、暑さでボロボロになっております。

Habana Culturalの記事です。洋装のこの絵が人気です。後ろの椰子の木がキューバの方々の心を捉えたのでしょうか。

メキシコでの個展です。

主催のベラクルス州立大学の新聞の記事です。

AGN VERACRUZ Periodismo puntal y con sentidoの記事です。

Organización Editorial Mexicana社の’El Sol de Leon’の記事です。

lado.mxの記事です。

‘DIARIO A・Z XALAPA VERACRUZの一回目の記事です。

‘DIARIO A・Z XALAPA VERACRUZの二回目の記事です。

EL HERALDO DE VERACRUZ’からの記事です。

‘Oye Veracruz CULTURA’からの記事です。

La noticia en caliente’からの記事です。

‘PUNTO Y APARTE’からの記事です。

‘la veracon’からの記事です。

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