清川さんの「ロマンチック百人一首」に絵をつけました。
古典の仕事は絵で言いますと、古典派の領域です。
昔は古典派の画家は、画家のヒエラルキーの中で一番、偉い存在でした。
なぜ偉いかと言いますと、絵が上手い画家は沢山おりますが、古典派の画家は時代考証などの知識を持ち合わせております。
各時代の建物の知識や、身分別の服装も含めて、其々の時代の生活様式に詳しい。
漫画で言えば、資料を読み込み描かれた、杉浦日向子の忠臣蔵の討ち入りを描いた作品がその系譜に当たりますし、拙著『Ph4.5』や『夢枕』なども、古典派の制作方法です。
時代物の注文を頂きますが、いい加減な絵を描くのは嫌ですから写実に入りますと、時代考証が厄介で下調べが大変です。ちょっとした映画を造る位のお金が必要です。
ちょっと前の時代を描くとなると、更に難しい。服装から煙草の銘柄まで、街並みまで変わっていますし、近いものは資料として残す意識が低いですから、探すのが大変です。
絵1枚、描くの簡単でしょうと思われていることが残念です。
『いきいき』は書店で販売しておりません。手に取りたい方はここへ。
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