世界中コロナ渦で大変です。
出版社の方もコロナに罹り、治療していたそうです。
60年代に『ガロ』から出版された、『林静一作品集』に書き下ろされたカラー作品、『花に棲む』が収録されております。
当時の青林堂漫画作品には『ジンク版』の網が入っておりまして、職人さんが作家の指定した処に『ジンク版』で網を入れておりました。
私は東映動画でアニメーションに携わっておりましたし、『ガロ』に漫画を描いていた頃も制作会社を運営し、テレビの自然科学系のドキュメント番組を制作しておりました。
映像作品は、目の前にある物を撮影するだけでは無く、撮影したフィルムを加工する技術も発達しております。
そこで漫画も、印刷段階で加工する事が可能ではないかと、この薄墨に使われる『ジンク版』に注目し、この版が絵画の複製に使われる『リトグラフ』だと判り、版画様式で作品を仕上げたらどうかと思いつき、作品を作りました。
面白い味に仕上がっているでせう。
私の作品では私小説の部類に入る作品で、統合失調症の母と私の日常を描きました。
母が発病したのは私が小学六年生の頃で、当時は精神病の書籍は少なく、どう対処すれば良いのか判らず途方に暮れていました。モモコさんの事は、拙著『モモコさんと僕』に載っております。
精神疾患のある家族を抱えたスペインの人達は、この作品をどの様に読まれるのでしょうか。
イタリアは精神病院が無いですね。精神病の人達を何処が受け止めているのでしょうか?教会ですかね。ドキュメント作品が無いので、判りません。
最後のページに、漫画の見方が書かれております。
外国の本は左から開くのですが、日本の本は右開きとなっておりますから、読者に読み方の順序を解説しているのでせう、面白いですね。
我が国でも漫画の出始めの頃は、どう読めばわからず、コマ絵に番号が着いていたと夏目房之介さんが指摘しております。
今もこの漫画表現史の著作は、一級の日本漫画史論となっております。
詳しくは下記アドレスへ。
こちらからでも買えます。
ゴールデン花粉。林、誠一。紙の本。9788416529957セルバンテスとコンパニア・リブロス (cervantesycia.com)
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