- 2020-06-25 (木) 11:26
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この本は、クロアチアの初期近代史に関する著者の社会史的研究の結果です。
これは、世界史の理論的枠組みの中でアドリア海のウスコクを探索する比較研究であり、ウスコクと和光の類似点と相違点(中国/日本の海賊行為)を検討するという基本的な目標があります。
2015年、著者は「16世紀と17世紀の海上商人と海賊-アドリア海のウスコクと東シナ海の和光」というタイトルのシンポジウムを開催しました。彼はクロアチアと日本の家庭/家族協同組合の現象について興味深い比較結果を得ました。
この本には、彫刻家イヴァン・メストロヴィッチが「コゾシャ」と呼ばれる日本人アーティストのグループに与えた影響についての章も含まれています。(本書紹介文から引用)
面白い視点ですね。日本の海賊も広く活躍していたのですね。ジョニー・デップさん主演の映画『パイレーツ・オブ・カリビア』がヒットしました。
クロアチア語版と英語版での出版です。日本語訳は出版しないのですか?
クロアチアと聞くと日本から遠く、交流の薄い国と言うイメージがありますが、どうしてどうして、マルコ・ポーロはクロアチア出身ですし、社会学者のイヴァン・イリイチも我が国での翻訳書籍が多い作家です。
『浦和レッズ』で活躍した元サッカー選手のトミスラフ・マリッチさんもクロアチア出身ですし、2本のチェロだけでクラシックからポピュラー・ミュージックまで演奏する『トゥーチェロズ』なども、日本のコマーシャルで見ない日は無かった時があります。
令和生まれの私ですと女優のアリダ・ヴァリさんで、出演した映画『第三の男』のエンディング・カットで、トレンチ・コートを着て並木道を歩くシーンに驚いた記憶があります。
真っ直ぐ歩くのです。女優さんは歩く訓練もしているのだなぁと画面を見て感動しました。素人に歩かせると曲がって来ますし、カメラから去って行く後ろ姿も、見られたものではありません。
モデルさんも花道の歩きを訓練しますが、この『第三の男』のエンディング・カットは長いです。アリダ・ヴァリは曲がらずに並木道を歩いております。その演技に乾杯です。
それにクロアチアの首都『ザグレブ』で開催される映画祭は、映像関係者であれば知らない人は居ない映画祭です。手塚治虫氏も『ジャンピング』で受賞しております。
それから、社会主義国としてもともと統一する前から、民族的な自立が強かったクロアチアですから、ソ連邦崩壊の遠因を受けてクロアチア独立宣言から始まった『クロアチア紛争』が起こります。まだソ連最高議会がソ連共産党の活動を禁止する決議をする前ですから、噂、千里を走るではないですがソ連同盟国での混乱は早いです。
当時、日本はまだバブル景気の余韻に浮かれていましたから、橋の中ほどで兵士に撃たれて重なるように倒れた敵同士の恋人の報道写真「現代のロミオとジュリエット」などを見ても、ジュリアナ東京で踊る騒音に消されてしまったのではないでしょうか。
越村さんは、日本大使館の邦人国外避難勧告を聞かず、クロアチアに残ったのですかね。その頃でしょうか、ニューョーク在住のアメリカ人アーティストから、世界の漫画作品を特集した雑誌を頂きました。
その中に『クロアチア紛争』の民族浄化大量虐殺のコマ絵が載っていて、処刑人が泣き叫ぶ少年の手を掴み、橋の欄干に連れて行き首を切る場面で、橋の下の川には多くの死体が川下へと流れて行く様子が描かれておりました。越村さん、怖くないですか。勇気ありますねー。
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- 越村勲著『USKOK AND WAKO: A Social History Study of Frontiersmen at the Ends of the Eurasian Continent』 from Seiichi Hayashi Art world