- 2019-12-25 (水) 15:41
- お知らせ
南さんと初めてお会いしたのは新宿の『ローレル』という喫茶店で、赤瀬川原平さんが教室を持たれている『美学校』の生徒さんを連れて来られ、その生徒の一人に南さんが居た。
喫茶店『ローレル』は三階建ての喫茶店で、上の階にはボーイさんが居なく、珈琲を飲み終わるとやおら、生徒の一人がテーブルの下に隠していた一升瓶に入った日本酒を取り出し、コップの水をあけ、日本酒を注ぎ始めた。その日本酒を取り出し、コップに注ぎ始めたのが南さんで、へえー、青林堂には編集長の長井さんが無類の酒好きだが、原平さんの生徒の中にも、酒好きが居ると感心した。
その後、南さんが青林堂へ入り、私はテレビの報道局帯番組で忙しくなり、『ガロ』へ作品を書く時間が無く、編集部へも顔を出すことは無くなっていた。その間の南さんが会われていた作家の消息などが判り、楽しく読ませて頂いた。
『イラストレーション』については、私は『ガロ』でブームになり、今度は某新聞社のグラビア誌で『花のイラストレーター六人衆』(このタイトルで良かったかな?)なるタイトルの特集雑誌が出て、それら六作家の中に私も含まれていたのだ。
えっ、今度は漫画家では無く花のイラストレーターの肩書になったのと、私は驚き、アニメブームから三度目のブームに私は巻き込まれてしまった。
でも振り返ってみれば、70年代に出した私の画集が、その年の二番目に売れた画集になっていたから、仕方がないのかもしれないと思うし、ロッテの『小梅』のCMや女性誌での東芝広告などが出回っていたから、当然と言えば当然の話しであった。
先日、NHK朝ドラ『なつぞら』のモデル、奥山玲子さんのご主人、小田部羊一さんとの座談会が開かれ、せん越ながら私も加わり、爆笑トークの楽しい夜を過ごさせて頂いた。
その中で、東映動画へ入社して間もない頃に、先輩アニメーターの堰合さん(間違っているかなー名前)に『ハイ・レッド・センター』の一人、高松次郎さんの話をされ、入社したての私には何の話かさっぱり判らなかったが、その後、東映を辞め『ガロ』に漫画を描き初めて、編集部の高野さんの誘いで『美学校』のパーティーへ出席し、高松次郎さんや赤瀬川さん、中西さんにお会いし、東映に入った時に堰合先輩が言った事と繋がったと話した。
会場にはアニメファンがつめかけていたから、『ハイ・レッド・センター』についてはイマイチ判らない人がいたようで、色々な表現畑を渡り歩いている私には、一つのメディアに限っての話しが中々出来ず、また、私にとっては、渡り歩いているのに繋がっているところが不思議で、何故、東映に入社したての私に、アニメと関係の無い現代美術の話しをしたのか、それがその後に巡り合う事になるとは、時間は一方向に流れていないとは物理学では常識となっているらしいが、私は広大な宇宙に放り出されて漂う宇宙飛行士になった気分でいる今日この頃であります。
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