期間 10月4日~11月27日
会場 ICAフォックス閲覧室
作家リストに今、アメリカのアート・フェスティバルで引っ張りだこの篠原有司男さんに、数年前ですか、ニューョーク近代美術館でグループ展を開きましたハイレッドセンターの一人、高松次郎さんが入っております。どんな展示になるのだろうか想像がつきません。
私の上映作品『かげ』は、原爆により銀行の石段に影となって焼き付いた男の物語です。
占領下の広島へいち早く調査に入ったのは米軍ですが、その記録映像に「影」という項目があり、広島上空で炸裂した原子爆弾の閃光と熱風により残った建物や瓦礫に焼き付いた影を丹念に撮影しております。
その象徴的な影が、銀行入り口の石段に焼き付いた男の影です。
この他にも焼き付いた人影はあるようです。原爆投下から行方不明になった姉が、裏庭に面する建物の壁にうっすらと人影らしきものとして残っているのが発見されたのは、80年代に入ってからではないかと思います。
裏庭で洗濯物を干していて、原爆の閃光を浴び建物に影として焼き付いたものと考えられると、ニュースは報じておりました。
高松次郎さんは東映動画の先輩ですが、彼の『影シリーズ』は、私と同様、原爆の閃光によってつくられた影からの発想かもしれません。
伝統芸術に挑戦する、ラジカル現代芸術と文化のための家として、ICAの豊かな遺産を展示、開催いたしますとある。先日来日しましたセインズベリー財団の白鳥さんのご主人、ケンブリッジ教授の話によると、政権が代わると前の政権で決まっていた企画が全て無になったそうです。EU離脱後からラジカルなイギリスです。
週末はロンドンだという方、足を運んで下さい。
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