ちょっと前まで、暑い暑いと言っておりましたが、もう10月です。
体が暑い日々を覚えておりますか?体はすっかり秋モードですか?
エッセイは、新宿の飲み屋「五十鈴」を取り上げました。
貧しいアジアの中から初めて、金持ち国へ、一等国へと突き進む、喧騒の60年代新宿に、何時、店を閉めるのか、誰も見たことが無い謎の飲み屋「五十鈴」が在りました。
この謎の飲み屋「五十鈴」は、私達が通った頃、腰の曲がったおばあさん達が働いておりましたから、さすが、猫の手も借りたい、忙しい60年代だと驚きましたが、このおばあさん達は一体、何時、休んでいるのか、気にもなりました。
壇一雄の小説「火宅の人」には、朝の五時頃、閉店すると書かれておりましたが、五時を過ぎ、七時、八時になっても閉店する気配ありません。いや、益々、店は混んで参ります。
あの頃の都会は不夜城で、眠る暇など無かったようですが、おばあさん達が気になります。腰が曲がり、カウンターの高さまで手が届かない。客は椅子から立ち上がり、カウンターの中のおばあさん達から酒や料理を受け取っておりました。
その後、あのおばあさん達は、どの様に生き、何処で人生を終えたのでしょうか。
拙著『僕の食物語』にも書いてあります。
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