美しい庭園でのトークとサイン会が始まりました。
多くの方々が早くから足を運ばれ、私の話に熱心に耳を傾けておられました。有難いことです。
トークの時からですが、写メの音が鳴り響きます。赤色エレジーの英訳、仏訳の本のところでお話ししたと思いますが、日本語のオノマトペをどう訳すか、中々、頭を悩ます問題です。
七十年代にオイル・ライターに火がつく音を「ジュボッ」と書き表した漫画家がおりまして、漫画家の間では話題になったのですが、カメラもフィルムの時代のシャッター音とデジカメでは違うでしょうし、写メになると「パチリ」でも無く、「カシャリ」と書き込みましたが、皆さんはどう聞こえますか。
サイン会が終わりました。長い間、サインをお待ちになった皆様、有り難う御座いました。サイン後に、お庭を拝見させて頂きました。
庭園には松が多く、二十代の頃、取材で三保の松原を拝見しましたが、現在では盆栽の松ほどの人気は、風景では御座いません。
昨年、瀋陽に在りますヌルハチの墓を訪ねましたところ、松が多く植えられて、こちらが本家でせうが、日本へ帰った心持になりました。
漱石さんは「満韓日記」で、中国に松が無いと嘆いておられました。
この万象園に在ります「千代の傘松」、どうでしょうか。
庭園の奥まったところに在ります茶室ですが、この佇まいは住んでみたくなります。
御用聞きが「奥さん、今日はシジミが良いよ。」なんて顔を出す。
私は和室で乳鉢に胡粉を入れ、からズリしている。嗚呼―。
翌日、飛行機の出発時間までの間、丸亀城を拝見しました。
丸亀城の石組みです。
マヤ遺跡やピラミッドの石組みは、剃刀の刃が入らないほど精緻に積まれており、私たちを驚かせます。先人は良い仕事をしておりますね。
また、城マニアには当然の教養ですが、石組みのカーブが独特ですね。この曲線が日本の城を美しく見せていると言っても過言ではないでしょう。
天守閣まで、丁寧に解説頂いた城マニアの方に、篤くお礼を申し上げます。
丸亀の皆さん、有り難う御座いました。また、お目にかかれる日を楽しみにしております。
万象園・丸亀美術館での個展。6月10日まで開催しております。足をお運びになられて、庭園も満喫して下さい。
詳細は丸亀美術館ホームで、企画展示をクリックすると、私の個展告知がご覧頂けます。
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