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『ガロCOM』(講談社刊)発売中

60年代の劇画ブームを牽引した『ガロ』と『COM』、両漫画雑誌の作品集です。

私は『赤とんぼ』が収録されております。

この作品から「竹久夢二の再来」と噂されるようになりました。

69年頃、朝日新聞、社会面トップに「あなたはガロ派かコム派か?」との見出しの両雑誌の記事が載りました。
この頃が、ガロブームの頂点だったと思います。そのブームの凄さについて書きます。
これは、フランスでの講演でも話しました。

69年か70年の青林堂の忘年会のことですが、指定された新宿の小料理屋の入り口の戸を開けますと、目の前に人の背中があって中に入れない。
玄関にびっしり若者が立っているのです。この若者達をかき分けて前に進むと、正面の廊下の奥から仲居さんが出てまいりまして、青林堂の宴会は2階手前の左の座敷だと告げ、靴は持って上がって下さいと忠告されました。
靴を脱いで2階へ上がろうと一階の廊下を見ますと、二列に若者が奥まで並んで座っておりました。また、上ろうとした階段、一段、一段に、これまた、若者が二人づつ、階段を腰かけ代わりに座っておりました。

何か学生達のサークルの集まりでもあるのかなと思いながら2階へ上がると、ここもまた、廊下の奥まで若者が2列になって座っており、忘年会の座敷の襖は開かれていて、座敷の壁に若者が2列になり、宴会を取り囲むように座っておりました。

私は手招きする長井社長に歩み寄り、これは何ですかと問い質すと、長井さんはニヤニヤして、私にも判らないと小声で答へ、周りの若者達から、あれが林静一か?との囁く声が聞こえて参りました。
若者達が囲み、無言で見つめる中での忘年会、後にも先にも、この様な忘年会を体験したことは御座いません。
インターネットも無い時代に、ガロ忘年会の情報をどうやって聞きつけ、集まってきたのか、今も謎です。

COMに書きました、20代の頃のエッセイも収録されております。
手塚治虫さんとは、私の師匠、月岡が手塚さんのアシスタントで、石ノ森さんと同期でしたから、10代の頃にお会いしております。ガロかコムか、と言うより、両方共、繋がりがあった作家が居たということです。

20代で書いた文章、読むのには勇気がいります。でも、アイドルでも無いのに、若い頃に脚光を浴びることは、そう、誰もが体験できることではないので、良い青春だったと思っております。

手に取りたい方はここ

 

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